« あさのあつこ/バッテリー | トップページ | 6月のエントリー »

2004/05/31

ポール・ギャリコ/トマシーナ

トマシーナ
ポール・ギャリコ 山田 蘭
ポール・ギャリコ/トマシーナスコットランドの片田舎インヴァレノックで一人娘のメアリ・ルーと暮らすマクデューイ氏は町で唯一人の獣医師。
その診断の正確さと処置の適切さには定評があったが、同時に他人に対する高圧的な態度や動物に対して愛情も興味も抱かない性格は「変人」と噂されてもいた。
ある日、メアリ・ルーの愛猫トマシーナの身体がふとした事故で動かなくなってしまう。
メアリ・ルーは父親がトマシーナを治してくれると信じていたが、彼はトマシーナを安楽死させてしまうのだった。
絶望し父親に対して心を閉ざすメアリ・ルー。
一方トマシーナは森の中で<魔女>と呼ばれる不思議な女性ローリの元で新しい魂を与えられていた。

とても面白かったです。
今年読んだ本の中で一番感動しました。

頑固な寂しがりやだったマクデューイ氏が自分を否定する愛娘との関係に悩み、人々から<魔女>と呼ばれるローリと触れあう中で少しずつ心を開いていく様子がとても自然に丁寧に描かれています。

物語の中には「愛」、「信仰」、「友情」、「信頼」、「希望」、「生」、「死」、「命」…などなどの深いテーマがギュッと詰め込まれています。
でも、あまり難しく考える必要はありません。
この物語の持つ暖かさ、優しさ、哀しさ、不思議さを素直に楽しめばいいだけです。

山田蘭氏による訳文が自然で、リズムがあって、綺麗でとても読みやすかったです。
(同様に和田誠氏によるトマシーナのイラストの表紙も絶品!)
文章は三人称で書かれている部分と、トマシーナの一人称で書かれている部分があるのですが、特にこのトマシーナの部分がすごくいい!
気まぐれで誇り高くて甘えん坊のトマシーナが無茶苦茶可愛いかったです♪

猫好きの人にはもちろん、そうでない人にもぜひ読んで欲しい1冊です。

|

« あさのあつこ/バッテリー | トップページ | 6月のエントリー »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

読了本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29699/688095

この記事へのトラックバック一覧です: ポール・ギャリコ/トマシーナ:

« あさのあつこ/バッテリー | トップページ | 6月のエントリー »