「真珠の耳飾りの少女」
会社帰りにシネリーブル池袋で「真珠の耳飾りの少女」を観た。
17世紀の画家・フェルメールが描いた同名の絵をモチーフにした作品。
とにかく映像がとても美しかった。
ぽってりと厚みのある影と、そこに差し込む柔らかい光のコントラスト。
本当に当時の絵画に描かれている陰影のあるシーンがスクリーンの中に表現されているのがとてもキレイで感動的だった。
役者たちもその映像の中に違和感なくはまっていた。
特にグリート役のスカーレット・ヨハンセンは表情や佇まいのクラシカルな感じが役にぴったり。
ただ、見る前は顔付きそのものがあの絵の中の少女と本当によく似ているような気がしていたけど、実際に観てみるとそれほどでもなかったのはちょっと意外だったな。
その割にストーリーはかなりありきたりなのではないかと。
才能はあるが金儲けが下手な夫と資産家の妻とその母親、そして5人の子どもたちが住む家に新しい召使いがやってくる。
彼女は若く美しいだけでなく芸術に天賦の才能があり、それを見出した夫は彼女を自分の手元に置き可愛がる。
やがて二人は惹かれあうようになるが、それに嫉妬する妻は…。
てな感じ。
こうやって書くと単なる昼メロのようだ(笑)
多分、これ以上に登場人物の中では葛藤とか悩みとか喜びとか悲しみとか迷いとか沢山の感情があるのだろうけど、それぞれの登場人物が何をどう考えているのかが今ひとつよく判らないので表面的な事しか見えないんだよね。
(フェルメールの奥さんは判りやすかったけど。あの疲れ切った表情が凄かった!)
セリフが少ないのはあの映像のイメージに合っていると思うけど、それに代わって彼らの内面を説明してくれる「何か」が少なくとも私にはよく判らなかった。
こういう状態だと勢い感想も「フェルメールはいくら「マスオさん」状態(笑)だったとは言え、自分は安全圏にいたままでグリートにばかり辛い思いをさせるのはちょっと許せないな」とか「そうは言ってもグリートもフェルメールに惹かれながらもピーターとも付き合ってるわけだからお互い様かも」とかいう下世話な事になってしまうのであった(笑)
あ、あと音楽がちょっとうるさすぎる。
もうちょっと控えめの方が良かったな。
(なんだか時々「刑事ドラマ?」みたいな音楽が聞こえる事もあったような…(笑))
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コメント
はじめまして、あやと申します。
つい最近私も「真珠の耳飾の少女」を見たのでタイムリーということで書き込ませてください。
とってもきれいでしたね!1シーン1シーンが全部絵画のようでした。
確かに予告よりも似てなく感じました。予告のときは「よくこんなに似ている人見つけてきたな」って思ったんですが。
私はコーネリア(娘役)に注目してしまいました!幼いのに「演技」してて、とてもよかったと思います。
投稿: あや | 2004/05/08 00:13
あやさん、はじめまして。
コメントありがとうございました♪
>1シーン1シーンが全部絵画のようでした。
ですよね!
特に最後の方でグリートがフェルメールの屋敷を出ていくときに、台所で掃除をしている年上の召使い(名前失念!(汗))と見つめ合うときの陰影や構図は「本当にこんな絵があったような」と思うくらい完成されたシーンだと思いました。
コーネリアはグリートの行動をじっと見つめる目が印象的でした。
彼女のグリートに対する態度もただの我が儘ではなく、自分の居場所を守るための彼女なりの闘いだったんでしょうね。
投稿: tako | 2004/05/08 00:52