クラフト・エヴィング商會/クラウド・コレクター
新版 クラウド・コレクター
クラフト・エヴィング商會クラフト・エヴィング商會の先代である祖父・傳次郎が遺した古いトランクから出てきた古ぼけた一冊の手帳。
そこには祖父を主人公とした架空の国・アゾットへの旅行記が書かれてあった…。
これは孫である三代目「私」がその旅行記を読み解く事で祖父の「空想」を受け継ぎ、彼が残した大いなる「嘘」を検証し、その想いの全貌を再構築した物語である。
初の「クラフト・エヴィング商會」本。
名前は本屋でよく見かけていたのですがてっきり本の装丁とかデザイン関係のお仕事をしている集団(会社?)なのかと思っていました。
お話も書いてらしたんですね。
21のエリアに別れた空想の国「アゾット」。
そこで傳次郎が出会う、不思議な人々や習慣。
そしてそこに込められたいくつもの謎と想い。
初めて読む物語なのに、どこか懐かしく優しい気持ちにさせてくれる物語でした。
旅先で傳次郎が集めてきた(と言うことになっている)各エリア特産の酒のラベルや怪しげな興業のパンフレット、タロットカードなどのちょっとアンティーク風の数々のイラストも素敵です。
中でも特に傳次郎氏が描いた「天使の行列」のスケッチ(p95)が印象的でした。
「祖父の書いた物語を辿る」と言うセンチメンタルな題材なのに湿っぽくならずに、むしろ軽いユーモアを交えて淡々と書いてある所にセンスの良さを感じました。
ただ作品自体はすごく素敵だったのですが、読むのにちょっと時間をかけすぎてしまった(10日)ためにちょっと印象がボンヤリしてしまったのが残念でした。
そんなに一気に読む感じの物語ではないけど、もうちょっとまとめて(3日くらいかな?)読むべきでした。
ちょっと後悔…。
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