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2004/08/21

中島らも/ガダラの豚1~3

ガダラの豚〈1〉
中島 らも
ガダラの豚〈2〉
中島 らも
ガダラの豚〈3〉
中島 らも
中島らも/ガダラの豚〈1〉 中島らも/ガダラの豚〈2〉  中島らも/ガダラの豚〈3〉

アフリカ呪術研究の第一人者 大生部多一郎はテレビ出演の依頼が絶えない人気タレント教授。
しかし、彼には8年前の現地取材で娘をなくした過去があり、それ以来彼はアル中に、妻の逸美は神経を病んでおり、息子の納(おさむ)の3人の家族は崩壊寸前だった。

娘をなくしてしまった喪失感から逃れるため怪しい新興宗教にのめり込んでいく逸美を、超能力者のトリックを暴くことを売り物にしているマジシャン「ミスター・ミラクル」の助力を得て奪還するまでを描く第1巻。

TVプロデューサー・馬飼の企画による特番の取材のためアフリカへ旅立つ大生部一家と出演者、スタッフ一行。
彼らのアフリカ道中記及び目的地「クミナタトゥ」での大呪術師バキリとの対面までを描く第2巻。

バキリの元からキジーツ(呪術の増幅装置)として育てられていた少女を攫った一行は多くの犠牲を払いながら命からがら日本に戻るが、安心したのも束の間バキリが東京に現れる。
TV局を舞台に繰り広げられるバキリと大生部一家との壮絶な闘いを描く第3巻。


文庫版で全3巻それぞれ300~350ページ前後というかなりの分量でしたが、とても面白くて1巻から3巻まで一気読みでした。

「超能力」「マジックによるトリック暴き」「新興宗教」「アフリカ呪術」「TVによる情報操作」などなど、怪しげでだからこそ興味津々な話題が次から次へと出てきます。
しかもそれらは単に「話題」として出てくると言うことではなく、それぞれに対するきちんとした研究と考察の上に書かれており物語の中の重要な核として機能しています。
更にそうした真面目な内容であるにも関わらず、決して重かったり暗かったりすることはなく全体的には著者らしい軽妙でユーモアのある物語になっているので最初から最後まで飽きることなく読み進める事が出来ました。
また大生部一家を始めとして登場人物の数がかなり多いのですが、それぞれの性格付けが非常にきちんとしているため(ある意味「反則」な部分もありますが(笑))混乱することがないのも読みやすさの要因でした。

第3巻のラスト、TV局を舞台にした命がけの追跡劇は流血や痛いシーンが満載でそうした描写が苦手な私にはちょっとツラかったですが、その中でそれぞれが強くなり家族としての絆を取り戻していく大生部一家の姿が印象的でした。
そしてここまで大風呂敷を広げておきながら、登場人物の一人一人にも物語全体にもキッチリとエンドマークを付ける生真面目さにも好感が持てました。
(でもちょっと死人が多すぎるかも…(汗))


<関連サイト>
「Ramo Nakajima Office」

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