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2004/08/29

風野真知雄/喧嘩御家人 勝小吉事件帖

勝小吉事件帖―喧嘩御家人
風野 真知雄
風野真知雄/喧嘩御家人 勝小吉事件帖小吉は祖父の代に旗本に成り上がった男谷家の三男坊に生まれ、7歳の時に御家人・勝家の養子に入りその後勝家の一人娘おのぶと結婚したが、小さな頃から暴れん坊で腰が座らず、喧嘩、家出、借金、女遊びなどろくでもない事ばかりしでかす界隈でも有名な不良侍であった。
そんな小吉が十四の時以来二度目の家出からようよう連れ戻されたその日、悪い遊び仲間の一人、岩三が何者かによって殺されてしまう。
疑いは直前に岩三に会っていた小吉に向けられ、体面と小吉の将来を案じた家族によって小吉は家の中の座敷牢にに監禁されてしまうのであった。

幕末にその名を残す勝海舟の父親・小吉を主人公(探偵役)に据えた時代推理小説。
「座敷牢の男」を始め8編の短篇を収録。


面白かったです。

素行の悪さから自宅の座敷牢に閉じこめられてしまった主人公が、その中で事件を推理して解決すると言う発想が楽しいですね。
いわゆる「安楽椅子探偵」ならぬ「座敷牢探偵」です(笑)

しかもそうした設定だけでなく事件自体も「密室」あり「暗号」ありでなかなか凝っているし、小吉の謎解きもきちんと筋が通っていてスルスル読めました。
また幼い息子の麟太郎(後の海舟)が常に推理のヒントを小吉に与えていた、と言う細かい設定も見逃せません。

でもなんと言っても「小吉が座敷牢に閉じこめられていた」と言うのが創作ではなく事実(しかも3年も!)だと言うところが、驚きでした。
勝海舟は幕末の怪人物ですが、その父親もすごい人物だったんですね~(笑)
解説によると坂口安吾や子母澤寛なども小吉を作品の中で取り上げているとか。
しかも歴史的な活躍をした海舟とは違って小吉自身は「暴れん坊だった」と言うだけで特にそうした実績がないのにそうして人を惹きつける魅力を持っていたと考えるともしかしたら海舟よりも潜在的な力は大きかったのかも。
しかし、幕末前夜のまだ安定していた時代がその爆発的な力を発散させるには穏やかすぎたのかも知れません。

この作品を読んで「勝小吉」と言う人物に俄然興味が沸きました。
小吉自身が遺言として残した「夢酔独言」と言う作品があるらしいので近いうちに読んでみたいと思います。

夢酔独言
勝 小吉
勝 小吉/夢酔独言

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