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2004/08/05

鯨統一郎/邪馬台国はどこですか?

邪馬台国はどこですか?
鯨 統一郎
鯨統一郎/邪馬台国はどこですか?ビルの地下1階にあるカウンター席しかない小さなバー「スリーバレー」。
店の常連の宮田が発した「ブッダは本当に悟りを開いたのだろうか?」の一言から始まった、美貌の歴史研究家静香との歴史検証バトル。
誰も気付かなかった歴史の真実(?)が今夜も明らかにされる。


鯨統一郎氏の本は今までにも何冊か読んでいるしこの本の事ももちろん知っていたのに何故か読む機会がなかったのですが、先日本屋で平台に並んでいたのを見つけてようやく読んでみました。
噂に違わずとても面白かったです。

普通に学校で習うような歴史の観点からでは全く想像も出来ないような独創的な仮説が次々と展開されていてそれ自体もすごく面白くまた説得力もあって、歴史は好きだけど詳しくはない私は「え?これってホント?」って思わず信じてしまいそうになるくらいでした。
(いや、でも全面的にとは言えなくても部分的には合っている所も結構あったりして)

それから、それを表現するための人物設定も上手いです。
まず語り手の宮田、その内容を「なるほど」と聞いて納得していく松永、宮田の奇想天外な意見に徹底的に反論する静香、そして時々助け船を出す三谷教授。
特に松永と静香は読者が宮田の説を理解するための補助役(と言うか読者の代役)として非常に有効に作用していると感じました。
(その分、静香が妙におとなしい「謀叛の動機はなんですか?」は今ひとつで、展開もかなり強引な印象を受けました)
片や三谷教授は影が薄いです…と思ったら、今気が付いた。
実は三谷教授はこのお店の影のオーナーなわけですね!
だからお店の名前が「スリーバレー(三つの谷)」なんだ。
それだけで教授は存在価値があるって事なんですね。
あ~、スッキリした♪

他にもこの本に入っている表題作を始めとした6つの作品(「悟りを開いたのはいつですか?」、「聖徳太子はどこですか?」、「謀叛の動機はなんですか?」、「維新が起きたのはなぜですか?」、「奇蹟はどのようになされたのですか?」)それぞれが「5W1H」(懐かしい!)になっている事とか、最後に宮田による「これは私の説を知人の小説家Kに代筆して貰ったものだ」と言う内容の付記が付いているあたりが著者の「遊び心」を表現していて楽しかったです。

この後の作品を考えると、この方はこのまんま作家活動を続けているわけですね~。
これからもこの調子で頑張って欲しいです。

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