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2004/09/04

山田風太郎/忍法帖短篇全集5「姦の忍法帖」

5 姦の忍法帖 山田風太郎忍法帖短篇全集(全12巻)
日下 三蔵 山田 風太郎/ちくま文庫
山田風太郎/忍法帖短篇全集5「姦の忍法帖」いや~、面白かったです!
今まで読んだこのシリーズの中で一番楽しみました。

タイトルを見ても判るようにテーマは「エロス」だったりするわけですが、別に「色っぽ~い」とか「セクシー」とか、ましてや「官能」なんて感じではなくて何故だか知らないけど笑えてしまうんですよね~(笑)
もうホント、何でこんなビックリするような、ある意味下らない事考えつくのか!と。
しかも、それが終始シリアスな文体で書かれているのがまた可笑しいのです。
(あ、ちなみにコレ、誉めてますよ)

どれも面白かったのですが、中でも「〆の忍法帖」は最高でした。
公儀に対する企てが明るみに出たために切腹する事になった当主の精液を自分の中に吸い込んで、国元の愛妾の元に運ぶ忍者の話なのですが、その忍者・道兵衛が敵と、そして自分自身の生理現象と戦いながら行く行程が凄惨であればあるほど、何故か笑えてきてしまうのです。
これは何なんでしょう?(笑)

中でも

きくところによると、宮本武蔵は一生妻帯しなかったという。現代人たるわれわれからみると、あまり意味のある独身とは思われないが、もし意味があるとすれば、その意味をもっと圧縮し、さらに切実化したものが、この場合の弓削の道兵衛であったろう。-弓削の道兵衛の苦労だってあまり意味がないではないか、といわれる人があるかも知れないが、そんなことをいえば、たいていの人間の苦労もあまりたいして意味のあるものではないのである。(本文p273より)

という「それを言っちゃオシマイよ」的な一文はかなりツボでした(笑)

こういう、物語を書くことを楽しみながらも、一歩下がったところから冷静なしかし愛情のある眼差しで登場人物を見つめる著者の姿勢が物語を生き生きとしたものにしているのでしょうね。

このあともどんな物語を読むことが出来るのか楽しみです。

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コメント

突然お邪魔します!

なかなかにわかりやすい書評ですね!
読んでみてなるほど!
ここがツボなのね!
と、クスクスと笑ってしまいました。
(あ、失礼しました。自爆)

投稿: きまぐれT | 2004/09/05 02:20

きまぐれTさん、こんばんは。
コメントをありがとうございました。

山田風太郎の忍法帖は今回のこの短篇集で初めてちゃんと読んだのですが、圧倒的な面白さにココロを奪われております(笑)
今まで読んでいなかったのが残念!と思う反面、山田先生が既にお亡くなりになっている現在「まだ読んでいない作品がある」というのは幸せな事かも…という気もします。

いずれにしてもこのシリーズの続刊が今後も楽しみです。

投稿: tako | 2004/09/05 02:50

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