浅田次郎/天切り松闇がたり 第三巻
天切り松 闇がたり〈第3巻〉初湯千両
浅田 次郎/集英社子供の手鞠歌にも歌われる義賊「目細の安」一家の生き残りの『天切り松』こと松蔵老人が、六尺四方にしか聞こえないと言う盗賊の技「闇がたり」を使い留置場の中で物語る、粋でいなせな大正の怪盗たちの物語。
「初湯千両」「共犯者」「宵待草」「大楠公の太刀」「道化の恋文」「銀次蔭盃」の6編を収録。
1巻、2巻は文庫で読んだのですが、なかなか3巻が文庫化されないので図書館で借りてきました。
相変わらず上手いです。
安心して読めて、安心して泣けました。
特に14歳の松蔵の新しい友人・仁太(じんた)の恋と父親との関係を描いた「道化の恋文」と、松蔵が『渡世にあるまじき』二ツ盃を持つことになったいきさつを語る「銀次蔭盃」が心に沁みました。
「盃てえものは忠義のしるしじゃあござんせん。信義のあかしでござんす。けっして親兄弟を裏切らねえと誓いを立てて、血よりも濃い水を酌み交わすのが、盃事というものでござんす。…」(「銀次蔭盃」p262より引用)
そうそう。
以前これをドラマ化した作品がTVで放映された時、期待が大きすぎたのか「泣けなかった、つまらなかった」と言う感想を書いてしまったのですが、この本を読んでいる間松蔵のセリフはその時に松蔵を演じた勘九郎の声に変換されてきていました。
思った以上に勘九郎の闇がたりをする時の声が印象に残っていたようです。
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