星亮一/新選組と会津藩
新選組と会津藩 彼らは幕末・維新をどう戦い抜いたか
星 亮一/平凡社新書新選組の歴史の中での動きを、会津藩との関わりを中心にまとめた本です。
新書の、しかも歴史物を扱っているのに非常に判りやすく、読みやすい作品でした。
もちろんその分全体的に「ザックリ」した感じは否めませんが、新選組と会津の関係や大きな流れの中での役割を掴む上では十分ではないかと思います。
ただ、京で報国尽忠の志のもと不逞浪士を切り捨てていた「剣の時代」「個の時代」はともかく、薩長同盟が締結された後「近代兵器の時代」「国家の時代」になると一気に新選組の記述が少なくなってしまうのにはやはり寂しさを感じました。
更に京都守護職としての松平容保には重用されていたけれど、会津の国許での新選組の評判は決して良くない、むしろ悪かったと言うのもショックでした。
今後のドラマの展開を思うと胸が痛みます…。
最終章の第七章「大政奉還と戊辰戦争」の中の更に最後の『新選組をどう考えますか』に書かれている、【なぜこんなにも新選組が騒がれているのか】についての考察、特に「大佛次郎の『鞍馬天狗』の中で正義の味方の鞍馬天狗に斬られていた暗殺団・新選組が時の流れと庶民の意識の変化により鞍馬天狗の位置にすり替わった」と言う意見が面白かったです。
<関連サイト>
■「星亮一オフィシャルサイト」
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