火坂雅志/美食探偵
美食探偵
火坂 雅志/講談社文庫明治三十年代の湘南を舞台に、洋行帰りの美食家で今売り出し中の小説家・村井弦斎が身の周りで起こる数々の事件を解いていく短篇推理小説集。
真面目に書いてあるし読みやすい作品だとは思うのですが、美食の他にも大隈重信や伊藤博文など明治政府の要人がたくさん出てきて当時の政治の力関係の記述があったり、もちろん事件と推理と謎解きもあったりと短篇の中に色々な要素を盛り込み過ぎて中心部分が拡散してしまっているような気がしました。
特に「美食」と言うタイトルに惹かれて読んでみた私にはそれについての記述が結構サラッと書いてある部分が多かったのが残念でした。
料理と事件を直接的に結びつけるとか、もっと蘊蓄を語ってくれるとか(でも、これは匙加減が難しい)、タイトルに付けるならもっと「美食」の部分を強調した内容の方が面白かったような気がします。
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