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2004/11/14

「世界一受けたい授業」#3

この番組、注目されているようですね。
先々週1回目の放送時にはそうでもなかったのですが先週は放送中から数日後までこのブログにも検索サイトを通して随分多くのアクセスを頂きました。

私も1回目からずっと見ています。
相変わらず字幕は邪魔ですが(笑)、どの授業(内容)も面白く見ることが出来ています。
感動したり影響を受けたりと言うほどの事はありませんが「今、何が起こっているか」を理解したり、考え方の方向性に気が付いたり、何かを考えたり興味を持ったりする糸口としての役目は果たしているのではないかと思います。

今回(3回目)の授業内容で一番興味があったのは金田一秀穂先生の『辞書にも載ってる若者言葉のススメ!』でした。

「正しい言葉」と言うことがよく言われますが、この「正しさ」を判定するのは一体だれなのでしょうか。
金田一先生も仰っていましたが、いくら文法的に正しい言葉だとしても平安時代の言葉を今使うことは出来ない(使われたら困る)ですよね。
そう言う意味で「言葉」は時代や状況で変化し続けて行く事こそが正しい姿なのだと言う意見には私も賛成です。
今の若者が「自分たちにとって気持ちいい、使い易い」言葉を生み出して、それを使うということは「言葉」自体の要求に応じていると言うことですよね。
(あ、何だかここまで書いて「これって『利己的遺伝子』の考え方に似てるかも?」と思ってしまいました(笑))

だから私も「その年代によって使う言葉が違う」こと自体は仕方ないと思っています。
それよりも重要なのは『「状況や使う相手によっても使われる(使える)言葉は変化する」事を認識する』と言うことではないでしょうか。

例えば私の場合も、友達と話すときの言葉と、会社で話すときの言葉は違います。
更に会社の中でも、同僚と話すとき、上司と話すとき、お客様と話すときも違うし、その相手と直接会って話すときと電話で話すときも違っています。
どの状況に於いても「その場に一番相応しい」言葉、話し方が存在し、瞬時にそれを切り替えていく必要があるわけです。
それさえ出来ていれば、どんな使い方をしていようとその言葉が通じる仲間内であれば問題はないと思うのです。
それをどの状況もひっくるめて「これは正しい」「正しくない」と一律に判断しようとするから世代間のギャップが埋められなくなってしまうのではないでしょうか。

こういう「言葉」についての問題を考えるとき、いつも以前読んだ『ロゴスの名はロゴス』と言う本の中の文章を思い出します。

この中で著者の呉智英氏は「ラ」抜き言葉について、「られる」の用法には「受動」と「可能」の2つがあってそのうちの可能の方が『ラ抜き言葉』となったので伝統には反するけれども、そこにはそれなりの理由がある、とした上で

「しかし、ラ抜き言葉はまだ美しくは響かない。軽薄で品が無く聞こえる。歴史が浅いからだ。美しさには熟成が必要である。そこで言葉に美しさをも求める人は伝統的な「食べられる」を使い、言葉は意味さえ通じればいいやと言う人は「食べれる」を使う。こうしてこの2つは両方とも通用している。2つを分かつ基準は美なのだ。」

と書いています。

意味が通じるかどうかだけでなく、自分が言っても他人が聞いても「美しい」と思える言葉を使う。
この考え方は、私が自分の使う言葉を選択する上での非常に明快かつ重要な判断基準として働いています。
そして、今までの経験から言えば、「美しい」と感じられる言葉は「正しい」事が多いのです。
(多少思い込みも入っているかも知れませんが…)

それにしても故・金田一春彦氏の息子さんも日本語研究をなさっているとは知りませんでした。
京助氏から数えて3代目、合計すると研究年数は100年を超えるとか。
そんなにも研究していても「判った」「これで終わり」と言うことはないのでしょうから、「言葉」が難しいのは当然ですよね。

ところで私はこの番組の「世界一受けたい授業」ってタイトル、語呂が悪いのでキライです(笑)
例えば「世界で一番受けたい授業」とかの方が収まりがいい感じがするのですが…。

■日本テレビ「世界一受けたい授業」

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