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2004/12/09

「ロミオとジュリエット」@日生劇場

う~ん、感想書くの難しいなあ。

…この「ロミオとジュリエット」ってお話、実は苦手なのだ(笑)
もちろん有名なお話なので舞台でも映画でも何度か見たことはあるんだけど…どうしても好きになれない。
何故かというとあの物語の中の主役2人(とそれを取り巻く人々)の喜怒哀楽のテンションについていけないから。
どうも見てると疎外感を感じる(と言うかイライラしてくる)物語なのだ。

で、今回の「ロミオとジュリエット」。
藤原くんと杏ちゃんだし、しかも演出は蜷川だし…ってことで観に行ったんだけど、やっぱり私の苦手意識を払拭してくれる舞台ではなかった、と言うのが正直な感想。

いや、確かに藤原くんは小心者でいい子でナイーブで友達思いで優しくてやんちゃなロミオを生き生きと演じていたし、杏ちゃんは一途で情熱的で強く逞しいジュリエットだった。
何より2人とも姿がいい!
2人のシーン、特に前半の「運命」に巡り会って世界の全てが「幸せ」のフィルターを通したように見えていた頃の2人はホントに可愛らしかった。
2人で仔犬みたいにじゃれ合ったり、キスしたり抱き合ったりしているのを見ていたら、思わずニッコリしちゃうくらい。

それでも、シャイクスピアさんが書いた恐ろしく装飾語のたくさんついた長いセリフは苦手だった…。
長い上に恐ろしく早口で喋るので、聞いているうちに頭がついていけなくなってしまう。
あるポイントを過ぎるとセリフが「言葉」じゃなくて「音」に聞こえだしてしまうくらいだった。

ましてひたすら破滅に向かって突っ走っていく後半はホントにキツイ。
笑ったり、怒ったり、泣いたり、哀しんだり、怖がったり…感情の振り幅が大きすぎて、見てる私は一人客席に取り残されてしまう感じ。
しかもそのテンションでセリフが怒濤のように降ってくるんだから、とても処理しきれません…(泣)

そうした舞台のテンションと客席の私の気持ちの乖離がどうしても埋められない作品なんだなあ。
あらゆることをセリフだけでアッと言う間に理解していってしまう展開も「んなわけないじゃん」とか思ってしまうし。

話の進み方、特にジュリエットの婚礼が決まった後の展開も「なんでそうなっちゃうの?」としか思えない。
そんなに好きなら一緒に逃げちゃえばいいじゃん、ってまず思ってしまうので(笑)

まあ、14歳と15歳の子供だから仕方ないのかも。
と言っても、あのお芝居って大人でさえもあまり頭が良さそうな(と言うか大人的判断が出来る)ヒトは見当たらないのよね…(汗)

ロレンス神父にしてもラスト近くでジュリエットを置いたまま逃げちゃうのは絶対酷いと思う。
あの時無理矢理にでも連れ出すか逃げずに傍にいればジュリエットは死ななくて済んだんじゃないの~?何てことを考えてしまうわけだ。

ところで。
今まで見た「ロミジュリ」作品の中で唯一気に入っているのは自転車キンクリートの「ありがちな話」と言う舞台(なんと'91年の作品!そんなに経ちますか…)。
おバカなロミオとジュリエットがムチャクチャ可愛かった♪
ちなみにジュリエットは つみきみほちゃん、ロミオは京晋祐さんでした。
何故この舞台が好きだったかというと、セリフが今回のような本格的シェイクスピア風じゃなかったということもあるけど、それ以上に重要だったのは原作には登場しないジュリエットの女友達が出ていたこと。
2人の恋を知った友人達が2人の周りで「何なの、あの2人?バカみたいに浮かれちゃって」とけなしつつ、「でもいいな~、羨ましい」って感じの感想を述べあいながら成り行きを見守ると言う設定だったのだ。
思うに彼女たちは暴走機関車と化してしまった2人の様子を観客に冷静に伝える橋渡しの役だったのだと思う。
どこに向かっているのか判らないテンションで2人の世界に入ってしまった若い恋人達の気持ちを彼女たちの目を通すことで客席の私は納得できたから「面白い」と思えたんじゃないかな。
(今となっては記憶があやふやなので、もしかしたら全然違うかも(汗))
あの物語はそうした「緩衝地帯」がないと私には理解できないのかも知れない。
例えば、全然ルールを知らないスポーツを解説なしで見てるみたいな感じ。
興奮は伝わってくるけど、意味は判らない…なんか、そんな気分になってしまうのだ。

何度目かのカーテンコールから客席はスタンディングオベーションだった。
そうか、みんなちゃんと判ったんだ…と、ここでも取り残された気分になってしまったのでした(泣)

以下、気になった部分をいくつか。

クライマックスの2人の死の場面はもっと劇的な効果が演出されているのかと思ったら、意外なくらいくらいアッサリしていた。

ロミオがティボルトと闘う場面、何となくちょっと物足りなかった。
いつも新感線的殺陣ばっかり見ている弊害か(笑)

主役2人は良かったけどそれ以外の役者さんは特に気になる人もなく…。
特にパリス役の人は(申し訳ないけど)ちょっと苦手だった。

杏ちゃんの衣装(全部白のドレス)が可愛かった♪クルクルの髪型も○。
でも最初の登場の時に一緒に出てきた人形はムチャクチャ怖かった~(泣)

初めてロミオを見つけたときのジュリエットの笑顔は絶品だった!
杏ちゃんはああいう一瞬の表情が抜群に巧いと思う。

カーテンコールで手を繋いで何度もステージを行ったり来たりしているロミオとジュリエットが可愛かった♪


ところで、ジュリエットってキャピュレット家の娘だよね。
と言うことは、「ジュリエット・キャピュレット」なわけ?
(間に「ド」とか何とか入るのか?)
なんか、変な名前に思えるんだけど、そんなことないのかな?

植物物語presents 「ロミオとジュリエット」
 (この写真の杏ちゃんの表情がとても好き♪)
日生劇場

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