柴田よしき/猫は密室でジャンプする
猫は密室でジャンプする
柴田 よしき/光文社文庫バツイチのミステリー作家 桜川ひとみの飼い猫・正太郎が探偵役となって事件を解決する「猫探偵 正太郎の冒険シリーズ」の第一弾。
「愛するSへの鎮魂歌(レクイエム)」「正太郎とグルメな午後の事件」「光る爪」「正太郎と花柄死紋の冒険」「ジングルベル」「正太郎と田舎の事件」の6編を収録。
このシリーズを読むのは初めて。
猫が探偵役だというので軽い感じの作品かなと思って読み始めたら、けっこう本格的な推理小説だった。
この本は正太郎視点の作品(タイトルに正太郎の名前が入っているもの)と、事件の関係者、つまり人間視点の作品(それ以外のもの)が交互に配置されているのだけれど、特に人間視点の作品については文体も内容もかなり重くてちょっと苦手なタイプの物語だった。
それに対して正太郎視点のものは内容は殺人が絡んでいたりしてそれなりに重いものの、文体が軽目で読みやすかった。
著者は意識的に今回のような構成にしたらしいけど、私は全編正太郎視点の作品のものを読みたかったな。
特に「正太郎とグルメな午後の事件」くらいな緩めな作品が私は好き。
その他の作品も正太郎の語る猫の習性や、ミステリーの約束事(ダイイング・メッセージや密室など)についての考察、他の猫仲間や親友のサスケ(チャウチャウ犬)との会話がすごく楽しかった。
この後もシリーズは続くようなので、また正太郎に会えるのが楽しみである。
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コメント
それ、私も昨日見ました。
買わなかったけど。
でもたこさんの感想読んだら、ちょっと後悔。
やっぱり買えばよかったかな。
ちょっと話はちがうんだけど、
「エソラ」私も買ってきました。
伊坂幸太郎の書き下ろしに引かれて。
紹介してくださってありがとう。
投稿: しろっこ | 2004/12/15 19:12
shirokkoさん、こんばんは。
感想にも書いたように作品によって雰囲気が随分違うので全面的に「オススメ」はしないのですが…。
正太郎視点の作品の方は読みやすいし、猫の習性についての記述は私なんかよりshirokkoさんのような猫好きさんのほうが実感出来る部分が多いかも。
余裕があったら読んでみて下さい。
ちなみに「エソラ」はまだ積ん読状態です(汗)
投稿: tako | 2004/12/15 21:26