舞台を観る前に同じBunkamura内のザ・
ミュージアムで開催されていた
「グランマ・モーゼス展」も覗いてきた。
平日の夕方だったせいか会場内には20人前後しか人がいなくて静かでのんびりした雰囲気。
そんなに時間がなかったんだけどゆっくり、じっくり展示品を鑑賞することが出来た。
展示作品は全部で65作。
思った以上にたくさんの作品が展示されていた。
その作品を描かれた年代ではなくて、季節ごとに「春」「夏」「秋」「冬」の四季に分けて展示してある構成がとても良かった。
おばあちゃんが愛した小さな農村の移りゆく季節。
春には祝福するように柔らかい緑、夏には色とりどりの花々、秋にはくすんだ深い紅葉、冬には全てを覆っていく雪の白。
そして、それらどの季節にも元気な色の服をまとって明るい表情をした村人たちの姿が描かれている。
その丁寧な書き込みと遠近法やバランスにとらわれない自由で奔放な画面構成の共存した作品たちを見ているうちに自然と顔がほころんできてしまった(^^)
私は特に「冬」のコーナーの絵が好きだったな。
『楽しい橇遊び』や『雪が降る』に描かれた冬の空の微妙なグレーの色合い、もみの木に積もった雪の白と枝葉の緑のコントラスト、
手前に配置されたハッキリした赤や茶の服を着て笑い転げているのであろう子供達の躍動感がとても印象的だった。
それから、展示の中にはモーゼスおばあちゃんが油絵を描くようになる前に手がけていた刺繍作品(毛糸を使って、
風景を立体的に表現したもの)もあって、これがとてもとても良かった!
もしかしたら油絵よりも私は好きかも。
孫娘のために一針一針心を込めて作られた色鮮やかな刺繍たち。
その丁寧で、表現に対する工夫がたくさん入った作品に何だかすごく心を揺さぶられた。
その他の全ての作品にも彼女自身を取り巻く自然と人々への感謝と愛情が溢れていて、
見ているこちらの心まで穏やかにしてくれるそんな展覧会だった。
1年の最初に見るのに相応しい展覧会だったと思う。
ザ・ミュージアムでの会期は1月30日まで。
その後の巡回先は
京都:大丸ミュージアムKYOTO(大丸京都店6階) 2005年3月17日(木)~3月29日(火)
札幌:大丸札幌店7階ホール 2005年5月11日(水)~5月23日(月)
とのこと。
お近くの方はぜひ足を運んでみて下さい。
オススメです。
■この展覧会について丁寧で読み応えのある感想を書いていらっしゃる「弐代目・青い日記帳」さんの記事
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