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2005/02/05

金田一秀穂/新しい日本語の予習法

新しい日本語の予習法
金田一 秀穂
金田一秀穂/新しい日本語の予習法

<出版社/著者からの内容紹介>
日本人とおしゃべり文化について

外国人の目で見た日本語、言葉遣いの変化、日本人の「人見知りの文化」のことまで、
日本人と日本語についてまったく新しい視点から提言を贈る「いまどきの日本語入門書」。


「世界一受けたい授業」への出演で注目されている言語学者、金田一秀穂氏の著作。

平台に積んであったし、帯付きだったので新刊かと思ったら2003年4月の発行。

氏にとっては「デビュー作」とのこと。



内容としては他の「ことば」についての本と比較してビックリするほど目新しいことが書いてあるわけではないけど、
表現方法が平易で具体例が多いので非常に判りやすい。

特に一番最初に「抜き打ちテスト あなたは多数派? 少数派?」
と言うテスト形式での意識調査をして読者の興味を本の内容にググッと近づけた後に、「さて」
と本題を切り出してくるあたり人の気持ちを掴むのが上手いなあ、と言う印象。

もちろん、このクイズは回答させたままほったらかしなわけではなく、本文の中にもその結果をきちんと反映させてある。



私が「なるほど」と思ったのは、著者がアメリカ滞在時にサンドイッチを食べようとして失敗した時のエピソード。

この時の体験を著者は語学力よりも「サンドイッチを注文するときにどんなことが起きるか、知らなかったこと」が失敗の原因であるとしている。


以下、引用。


こうした、英会話以前の知識のことを、言語学では文化的知識とか、
言語外事実などという。適切なことばづかいをするためには、文法や語彙などの言語の能力だけでなく、
その言葉が使われる場面はどんなものなのか、場面によって必要とされることばはどんなものなのか、
そうした状況の要素も知らなくてはならない。(p182~183)


これは英語だけでなく、どんな言語にも、もちろん私たちが日常使用している日本語にも適用出来る。

自分がいつ、どこで、誰と、どんな状況で、何を話すかを正しく判断すると言うこと。

そしてそれを判断するための事前の情報というのが重要なのだ。

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