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2005/02/06

斉藤直子/仮想の騎士

仮想の騎士
斉藤 直子
斉藤直子/仮想の騎士18世紀半ばのフランス・パリ。
フランス国王ルイ十五世の従兄であるコンティ親王に仕える騎士デオン・ド・ボーモンは頭脳明晰、 パリ屈指の剣の使い手であったが彼の特徴はそれ以上に、男の服装をしていてもしばしば女性に間違われるほどの美貌にあった。
その類い希な美貌を買われ、彼は当時フランスと国交のなかったロシアと友好を結ぶための密使に選ばれる。
リア・ド・ボーモンという「うら若き美女」として…。

第12回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。


歴史ものなんだけど、物語性が強いし、登場人物が個性的で楽しく読めた。
特にデオン(= リア)のロシアでの周囲とのやり取りが可笑しかった~♪

その分、そのあとのサン・ジェルマン伯爵が出てきてからの展開はちょっと唐突だし、物語の雰囲気自体が変わってしまってちょっと違和感。
私は前半の軽快なテンポで進んで行って軽く笑える感じが好きだったので、そのままずっと行って欲しかったな。
最後も、もっと明るく「クスッ」と笑える結末であって欲しかった。


感想には直接関係ない話:その1

「なんと不忠な」
デオンの声が震えた。彼は騎士である。主君のためという大儀がなければ、ただの殺し屋に墜ちてしまう階級である。彼の価値観では、 分をわきまえない行為は最も忌むべきことだった。血管の中に『忠義』が流れていると言っていい。(p84~85から引用)

ってところを読んで、何故か「新選組!」(と言うか近藤勇か?)を思い出してしまった(笑)
<血管の中に『忠義』が流れてる>って表現、好きだわ~♪


感想には直接関係ない話:その2

この物語を読んで思い出したのは、昔読んだ名香智子のマンガ『美女姫シリーズ』だった。
フランスのクォーターで美形の双子、美女丸・ソンモールと姫丸・カーモールが中心になって繰り広げる「あり得ない!」学園ものであった 『美女姫シリーズ』、大好きだったなあ。
その中の特別編みたいので「みんなで映画を撮りましょう」みたいな設定でお芝居をやるんだけど、その題材がこのデオンとリアだったのだ。
それを読んだ頃は単純に「マンガ」として楽しんだだけでこれが実在の人物だったなんて思ってもいなかったけど (もしかしたら作品中で説明があったかも知れないけど覚えていない)、あれから何十年も経ってこうして再会すると改めて 「漫画家さんって勉強家だなあ」と思わずにはいられない。
あんなハチャメチャなギャグマンガにさえ、ちゃんと歴史的事実を盛り込んでいるわけなんだから…。
(そう言えば確かにエカテリーナとかピョートルとか無血革命とか出てきていたよ…(笑))
なんか思い出したらまた読みたくなっちゃった。
私、コミックスか何か持ってたかな?
後で探してみようっと。

花の美女姫 (1)
名香 智子
花の美女姫 (2)
名香 智子
花の美女姫 (3)
名香 智子

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コメント

検索しているうちに、辿り着きました。本作の著者、この作品以外、書いていないようですが、是非とも他の作品も読んでみたいですね。また、レヴューにもあったように、自分もラストはハッピーエンドらしいハッピーエンドにして欲しかったです。少し引っ掛かりました(主人公デオンが哀れで)。

投稿: Medeski | 2011/07/12 08:28

■Medeskiさん
はじめまして。コメントありがとうございます。

>本作の著者、この作品以外、書いていない

ファンタジーノベル大賞出身の作家さんは活躍している方が多いのに残念ですね。
また面白い作品をひっさげて登場してくれるのを期待したいです。

Twitterのフォローもありがとうございました。
私もリフォローさせていただきました。
宜しくお願いします(^^)

投稿: tako | 2011/07/12 23:34

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