「80代からのインターネット入門」
2週間ほど前から暇を見つけて読んでいた「80代からのインターネット入門」
を先日読了した。
これは'99年6月から'00年1月にかけての約半年間、「ほぼ日刊イトイ新聞」上で連載されていたコンテンツである。
存在自体は少し前から知っていたのだが、本格的に読んだのは今回が初めて。
簡単に内容を紹介すると、
主役は「ほぼ日」主宰の糸井重里さんのお母さま、ミーちゃん。
但し、イトイさんのご両親はイトイさんが幼少の頃離婚されたため、お母さまとは別々に暮らしていて今まで('99年当時)
に10回程度しか会ったことがなかった。
とは言っても、手紙でのやり取りをされていたり、特に確執があるわけではなく、むしろお金もないのに世界各地を飛び回り、お喋り好きで、
お調子者のお母さまと自分は「似ている」と思っていた。
そこで、彼女にインターネットを覚えてもらって、メールのやり取りが出来たら楽しいかも…と思いついたイトイさんは、
お母さまの了解も得ずにiMacを送りつける。
その後、「ほぼ日」上でイトイさんが募集した『先生募集』に応えて集まってきたメールの中から、一人の先生が決まり授業が進んでいく…。
と言う内容。
その授業や、お母さまの生活の様子が先生からのメールや、後に実際に送られてくるお母さまの日記によって公開されている。
「ほぼ日」のコンテンツらしく、とても暖かく気持ちのいい内容だった。
とにかく、登場する人たちがみんな魅力的。
ミーちゃんを筆頭に、パソコンの先生である南波あっこさんとそのご家族、ミーちゃんの娘さん
(イトイさんのお姉さま)のノリコさん、ミーちゃんのお隣のハツミさんを始めとしたご近所の方々やミーちゃんの旅仲間などなど…。
みんな元気で、明るくて、お互いを思いやりながら丁寧に日々を生きている様子が生き生きと綴られていて、一緒に「うふふ…」と笑ったり、
ちょっと感動して涙ぐんだりしながら楽しく読んだ。
これは、もちろん80代(実は始めた当初はまだミーちゃんは70代だったのだが(笑))の方がインターネット(+メール)
を使えるようになるための道のりを書いた「How to もの」としても読めるのだけれど、それ以上にどうやったら毎日楽しく、元気に、
気持ちよく生きていけるか、と言うことについて書かれた魅力的なテキストだと思う。
インターネットとかメールと言うのは、その中の一つの要素でしかない。
それ以上に、他人を思いやること、日々に感謝すること、
好奇心を持ち続けることなどなどの大切さをミーちゃんに教えてもらったような気がした。
連載開始からもう6年近くが経っているコンテンツであるわけだけど、全然古くさい感じはしなかった。
南波先生の教え方も(イトイさんも大絶賛だったが)とてもお上手。
生徒さんが躓きそうな点を先回りして説明しながらも、説明し過ぎて興味を失わせることはないと言う微妙なバランス感覚がとてもいい。
私も簡単な操作を人に教える機会が多いけれど、つい自分のペースで進んでしまって相手の理解を待っていられなくなってしまうことが多いのだ。
それからパソコンでの操作を身近なものに「見立てる」ときの例も適切でとても参考になった。
かなり優秀なパソコン使いでありインストラクターであると思われる。
メールの文章もかなり上手だし、ご家族もステキで幸せそうだし…なんかちょっと出来すぎでは?と思わず僻んでみたり^^;
豆炭とパソコン―80代からのインターネット入門
糸井 重里このコンテンツは途中で書籍化(「豆炭とパソコン」世界文化社)されることが決まったため、最後は少々唐突に(もちろん「終わりますよ」と予告はされているわけだが)
終わっているのが残念。
でも、その後もミーちゃんの日記の掲載は「ミーちゃんの縁側」
と言うタイトルで続いている模様。
今度はこっちをゆっくりと読ませていただこう。
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コメント
こんばんは。
先日、takoさんに教えていただいたので、まずは新選組から、そしてこの「80代からの…」を読み始めました。コンテンツが充実していて、どれも面白く楽しく読めますね。ブログも回りたいし、ほぼ日も読みたいし、忙しいです(^^ゞ。
投稿: Tompei | 2005/03/14 22:31
■Tompeiさん
こんばんは、コメントありがとうございます(^^)
「ほぼ日」のコンテンツは充実していて、どれも個性的なので読み甲斐があるのですが、時間が足りなくなるのが難点です^^;
「80代からの~」は本当にいい読み物でした。
多分Tompeiさんもこういう雰囲気、お好きなんじゃないかな。
読み終わって気が向いたら感想など聞かせていただけたら嬉しいです。
投稿: tako | 2005/03/14 23:08