文庫の"しおり"はエライ
一番集中出来てはかどるので、本を読むのは電車の中が一番多い。
ただ、電車では立っていることが多いので殆ど片手しか使えない(もう一方は吊革を掴んでいる)。
なので電車の中で読む本はたいていの場合、文庫ということになる。
(ハードカバーは片手だとちょっと厳しい…あと、文庫でも600ページくらいが限度かな。京極作品あたりになるともう無理です^^;)
私が本を片手で持つときは必ず左手で、開いたページの左を親指、右を小指で支えて、
残りの3本は表紙側にあって人差し指と中指の間に背表紙が来る形。
これだと片手でもページがめくれるくらい安定するのでかなり混んでいても本を開くスペースさえあれば読むことが出来る。
これは長年の電車通勤で培った努力の賜物(大げさ^^;)であると同時に、
廉価な文庫本でさえきちんと張りのある紙を使って作ってくれる日本の出版社のおかげである。
更に私が片手で本を読むために欠かせないものがある。
それは文庫に挟んである各出版社製の"しおり"である。
この"しおり"、とにかく材質が絶妙なのだ。
私のように片手で読んでいると特に感じるのだけれど、"しおり"というのは単に「どこまで読んだか」が判るだけではダメ。
それ以前に「読んでいる最中に気にならない」ことがとても重要なのだ。
硬すぎたり厚すぎたりすると、読んでいるうちにそのページが開いてきたり、最悪"しおり"が飛び出して来たりしてとても邪魔になる。
そんな、本を読むことを邪魔する"しおり"は半人前(?)なのだ。
よくデパートの文房具売り場などでこじゃれた(笑)"しおり"(というより"ブックマーク"か)を見かける。
革製のとか、型取りした金属のとか、ペンダント型とかね。
そういうのってちょっと気になったりはするけれど、大抵とても自己主張が強く頑丈そうに出来ていることが多い。
(何しろ売り物だからね(笑))
で、それを自分が使ったときのことを考えてみると…前述のような状況になるのは目に見えている。
で、結局使わないことが予測できるので(笑)一度も買ったことはない。
(自宅で落ち着いて本を読む人にはいいのかも知れない)
その点、文庫に元々挟んである出版社製(?)のしおりは厚さといい柔らかさといいページによく馴染むように出来ていてとても使い易い。
読んでいるときはどのページの間にあっても邪魔にならないのに、
いざ"しおり"本来の使い方をしようと思った時にはページをちょっとパラパラめくればすぐ見つけられるし、
次に読む場所を探すときもすぐに判る。
普段は目立たないけど、必要なときにちゃんと役に立つ文庫の"しおり"…地味だけどエライと思う。
しかも、こんなに使い勝手がいいのにどの本にもちゃんと付いているから気兼ねなく捨てられるのもスゴイ。
日本の「紙」の文化は素晴らしいと改めて思います。
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コメント
こんばんは。
これ、すっっっごくわかります!あれはいいものです!
以前、しおりじゃないけどデニム地のブックカバーを買ったことがありますが、結局ほとんど使わず。最初から挟まってるしおりと本屋さんで付けてくれる紙のカバーが一番しっくりくることに気づきました。
たまに本棚から本を出して再読したりすると、しおりがないので困った挙句ティッシュとかはさんじゃったり…。そんなときに紙のしおりのありがたみがわかりますね。
投稿: take_14 | 2005/06/17 21:54
■take_14さん
こんにちは♪コメントありがとうございます。
同意していただけて嬉しいです(^^)
>しおりがないので困った挙句ティッシュとかはさんじゃったり…。
判ります(笑)
私はメモ用紙を挟むことが多いのですが…やっぱりなんか違うんですよね~。
普段何気なく使っていますが、あの柔らかさと薄さを代用できるものを探すのって大変ですよね。
投稿: tako | 2005/06/18 08:58