青木淳悟/四十日と四十夜のメルヘン
四十日と四十夜のメルヘン
青木 淳悟
高橋源一郎氏がasahi.comの「Bookコーナー」
で書いていたこの書評を読んで読んでみようと思った作品。
高橋氏がこの中で
ふつうの小説は、あらすじを間違えずに説明できるのに、この小説では、説明しようとすると、必ず間違う。
と書いていて、実はそこに惹かれて読み始めたんだけど… ホントにその通りで何を書こうとしているのかさっぱり判らない作品だった^^;
要はチラシの裏に7月4日から7月7日までの4日間の日記を繰り返し書いている「わたし」の物語なんだけど…
前後の脈絡がなく色んなところに話が飛ぶし、書いてあることに意味があるのかないのかも判らないし、オチがあるわけでもないし、
もちろん密室殺人事件が起きて捜査して謎解きをするわけでもなく。
ただただ4日間の「わたし」の日常が繰り返し描かれるだけ。
普段あまりこういうタイプの小説を読むことがないせいか咀嚼力がついていかなくて「何が何やら」という感想しかないんだけど、
その割に読み続けることは特に苦痛ではなかったというのも逆に印象的だった。
文章一つ一つは全然難解じゃないんだけど、それを組み合わせると不思議な世界が出現しちゃうんだなあ。
「わたし」がチラシの裏に書く童話(そのタイトルが「チラシ」(笑))がいきなり途中でプッツリ終わるのもスゴイ。
高橋氏も書いているように、確かにここには「人生」が描かれている…のかも。
第33回新潮新人賞受賞の表題作の他、「クレーターのほとりで」を収録。
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