岡野宏文・豊﨑由美/百年の誤読
百年の誤読
岡野 宏文 豊崎 由美
1900年から2004年まで、100年(+α)
の間に日本でベストセラーになった本の数々を俎上に載せて「いいものはいい」 「悪いものは悪い」
とバッサバッサと斬りまくる書評対談集。
先日読んだ
『文学賞メッタ斬り!』の姉妹本みたいな感じですね。
これも面白かったです(^^)
特に(『文学賞~』同様(笑))面白くない作品を読んだ(読んでしまった)ときのお二人の容赦ないツッコミ!
これがすごく新鮮で気持ちよかった。
私はベストセラーを殆ど読まない派です。
何故かというと作品と自分の距離感が上手くつかめないというか、
周りの空気に影響されてしまって自分がどう思ったか自分でもよく判らなくなってしまうことが多いから。
しかも、たまに読むと「みんなが面白いと思ってるものを自分がツマラナイと言うのは気が引ける」という遠慮(?)
の気持ちが働いてしまうらしく、「面白い」と思ってなくてもついぼかした感想を書いたりしてしまったり。
別にこんな辺境のブログでしかも個人の感想として「面白くなかった」と書いたからと言って、大勢に影響があるわけでもないのにね~(笑)
小心者だわ。
それに比べて、このお二人はプロのライターさんたちで影響力もかなり大きいだろうに、
こんな本を出してしまって大丈夫なんだろうかと心配になるほど忌憚のない意見を述べている。
その腹の括り方にまず拍手。
そしてそれ以上に感じたのは、いくら誉めてもらえなくともここまで真剣に読んで貰えれば本も著者も本望であったろうということ。
目も耳も閉じたまま読んで書いた定型句のような誉め言葉の感想を100も200も貰うよりも、
苦言であってもきちんと読み込んだその人オリジナルの言葉で表現されたたった一つの言葉を貰えた方が嬉しいんじゃないかな。
しかもこの2人の言葉というのは決して「誹謗中傷」ではなく、正しく「批評」であるわけだから。
だからこそ、ここまで率直な意見を本名で載せられるってことだよね。
私には到底真似できそうもないけど(技術的にも精神的にも)、 それでも少しでも自分の気持ちが正直に出る文章を書くように努力したいと思う。
『文学賞~』のときと同じく、この本も対談内容についての脚注がてんこ盛り。
本文だけでなく、この細かい字の脚注を行ったり戻ったりしながら読むのもまた楽しい一冊でした。
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