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2005/09/05

菅浩江/鬼女の都

鬼女の都
菅 浩江
菅浩江/鬼女の都

内容(「MARC」データベースより)
京都を舞台にした小説で熱狂的なファンを持つ藤原花奈女が死んだ。 施錠された仕事場の遺骸は、華やかな朱の小袖に覆われていた。 連続する怪事件、謎の女ミヤコの正体。 幻想と謎解きを綺羅の如く織りなす本格推理。

上記は1996年に祥伝社から刊行された初版の紹介ページに載っていた文章。
私が購入した文庫版の裏表紙にもこれと大体同じような内容のあらすじが書いてあったんだけど… こういう書き方だと死んだのはプロの作家かと思うよねえ。
読み始めたら(プロデビュー間近の)同人誌作家という設定だったので、ちょっとビックリ。

更に主役(役割としては探偵役というより狂言回しみたいな感じかな)の優希は死んだ人気作家の大ファンで、 自分も小説を書いている大学生の女の子。
しかも、自分のことを「ボク」と呼び、友人達からも名前を「クン」付けで呼ばれているタイプ…。
すいません、苦手なんです、こういうの^^;

物語自体は非常にディープな京都案内になってるし、全編の章立てや小道具を能に見立てた構成もよく考えてあるなあ、と思う。
謎の女<ミヤコ>の正体や、 彼女が隠さなければならなかったものについての謎はそんなに複雑じゃなくて私でも途中で気が付く程度のものだけど (その明かし方自体かなりサラッとしているので、著者自身それに拘ってはいないのだと思う)それが判ったうえで、 彼女が何故そうしなければならなかったかを"京都"という街をからめて読者を納得させる答えを導くクライマックスも読み応えがあった。

また彼女たち(優希とその同人仲間)にしても、ただ騒がしいだけの女の子達とだけ書いているわけではなくて、 その裏にある計算高さや関係の裏表、自分が今まで見ていたものが見る角度を変えると違う像を結び始めることを知ったときの戸惑い、不安、 葛藤、怒り…なども丁寧に描かれていたと思う。

それでもやっぱり私はそこに辿り着くまでの、彼女たちの会話や考え方がどうにも「うっとうしいなあ」 としか感じられなくて読むのがちょっと辛かったと言うのが正直な感想。
せめて優希の喋り方が「ボク口調」でなければ…。

探偵役の杳臣(はるおみ)はなかなか面白いキャラクターの探偵で私は好きでした。
ハイテンションな女の子たちに対して、恐ろしくクールでものに動じない京都生まれの若き三味線弾き。
もう少し早い時期から積極的にあの思い込みの激しいお嬢さんたちの交通整理をしてくれたら、ずっと読みやすくなっていたと思うんだけどな。


<関連サイト>
電脳版PLEIADES(菅浩江さんご自身のサイトです)

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