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2005/09/29

畠中恵/おまけのこ

おまけのこ
畠中 恵
畠中恵/おまけのこ

出版社 / 著者からの内容紹介
鳴家(やなり)が迷子?  そのうえ若だんなが吉原の娘と駆け落ちだって? そりゃ、大変だっ!――愉快な妖怪人情推理帖。お待ちかね 「しゃばけ」 シリーズ第四弾!

このシリーズは設定がすごく好きなのですが読むたびに登場人物のキャラクターとお話の内容にギャップがあるように思えて、 今ひとつ心から楽しめないもどかしさを感じていました。
若だんなや彼の味方の妖たちはみんな気のいい優しいヤツらなのに、お話は結構剣呑なものが多くて…その差がすごく気になっていたのです。

でも、この第四弾にしてようやく登場人物たちの性格と物語の設定が上手くバランスの取れた作品集に出会えました。
とても面白かったです。

今回の短篇集も若だんなの身のまわりで起こったちょっとした謎や心配事や事件を扱っているのですが、 以前のようにおおごとにはせずにサラリと書いてあるのが良かったです。
「身体が恐ろしく弱い」という設定の若だんなでも扱われている題材の中にスルッと溶け込めていて、 ただ守られているだけでなくきちんと役割をこなしていてちょっと逞しくなったようにも思えるくらいでした。
(多分気のせい(笑))
そして、もちろんそこには仁吉や佐助を始めとした妖たちも絡んでくるわけですが、その役割やバランス、 若だんな以外の人間たちとの絡ませ方もひねりが効いていて楽しめました。

若だんながあそこまで体が弱くて…という設定なら、やっぱりこのくらいの大きさの物語の方がうまくまとまるような気がします。
だってそんなに大暴れは出来ないわけですからね…。
それにあの登場人物たちには、「切った張った」の大立ち廻りとか善と悪の対決みたいなものより、 ちょっと辛かったり哀しかったりするときもあるけれど最後はみんなが「よかったね」って笑いあえる物語の方が似合うと思うんですよね~。
(ちょっと甘いかも知れないけど)
今回の作品たちは基本的にそういう作りになっていたので、読み終わった後にふんわりと温かい気持ちになれてとても気分が良かったです。
(最初の「こわい」だけは切ない終わり方でしたが…あの物語だったらあれが正解でしょう)

と、今までのシリーズの中でもお気に入りの今作なのですが、ただちょっとだけ気になったのは登場人物のセリフの部分。
若だんなや兄や達、両親、栄吉などの毎回出ているような登場人物達はいいのですが、 その物語にしか出てこないような登場人物のセリフになんとな~く違和感を感じることが何度か…。
どこがどう変、と具体的に言えるわけではないのですが…(私の勝手な思い込みだと思うのですが) キャラクター設定と言葉遣いがあってないとか、 その場面でそんなこと言うかな?とか思うことが時々ありました。
最後の「おまけのこ」での鳴家のセリフ(言葉遣い)もなんとなく今までの鳴家のイメージとは微妙にずれて感じました。
お話の中での鳴家の活躍はすごく楽しかっただけにちょっと残念です…。

カバーイラスト(柴田ゆう氏)は相変わらず可愛らしいです。
私は裏表紙の白塗りしている鳴家がお気に入り。可愛い~♪

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コメント

出ていることは知りつつ、図書館リクエストにしようかと思っていたのですが…。
今回は良さそうですね♪購入しよーっと。
いつも情報ありがとうございます!
それにしても畠中さんは刊行ペースが早くてありがたいです。

投稿: suminiya | 2005/10/01 14:17

■suminiyaさん
こんばんは。

あ、ご購入ですか…ちょっとプレッシャーを感じたりして^^;
でも、ちょっと小粒な作品が多いけど全体のまとまりとしては(私は)一番好きな作品集だったのは事実。
屏風覗きや鳴家が主役の作品などバラエティも豊かで楽しめました。

感想、楽しみにしてますね(^^)

投稿: tako | 2005/10/03 22:34

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