山田ズーニー/あなたの話はなぜ「通じない」のか
あなたの話はなぜ「通じない」のか
山田 ズーニー
内容(「MARC」データベースより)
どうしたら、うまく「伝える」ことができるのか? 話し方も文章と同様、組み立て方が命! 嫌われずに説得する技術、信頼の条件、 共感を持たれるコミュニケーション術を伝授。
面白かった。
山田さんの本(や文章)を読むと「ああ、そうだよね~」といちいち納得してしまう部分がすごく多い。
それは「目から鱗」って感じの劇的な気付きではなく、
今までは何だかモヤモヤしていてちゃんと見えなかったものがハッキリ見えるようになるイメージ。
視界が開けると言うのかな。
なので読んでいてとても気持ちがいい。
何でもないことが書いてあるのに、しかも今回のこの本なんかはビジネス書に近い内容なのに、
それでも読んでいて時々泣きそうになるときがあった。
それは山田さんの言葉が全て自分の体験から出てきたウソのない言葉で、そして読む人の力になりたいと心から思っているからじゃないかと思う。
こんな文章を書かれたらそりゃあ読んじゃうよねえ。
そんな山田さんでもかつて相手と話が通じなくてクヤシイ、切ない想いをしたことが何度もあるらしい。
この本にはそれを乗り越えた先でつかみ取った、「相手に自分の話を聞いて貰うために必要なこと」がギュッと詰まっている。
それは「技術」だけでも、「気持ち」だけでもダメで、そのどちらも兼ね備えて、しかも自分と相手の信頼関係の上に成り立つものである、
とのこと。
他者の理解は楽をしていては得られない。
でも、キチンと正しい努力をすれば必ず報われる。
そんな勇気が貰える本だった。
平易な文章だしテンポがいいのでサクサクッと読み終わるし、
章立てが判りやすいので実践して迷ったときにはパパッと開いて再確認するのも簡単。
それでいて内容は濃い。
そんな点でも良くできた本だと思う。
個人的には<第3章:正論を言うとなぜ孤立するのか?>が非常に興味深かった。
なるほどね。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- '09年8月の読了本(2009.08.01)
- 樋口裕一/読ませるブログ 心をつかむ文章術(2009.07.29)
- 大石直紀/輪廻の山 京の味覚事件ファイル(2009.08.03)
- '09年9月の読了本(2009.09.01)
- 海堂尊/ひかりの剣(2009.09.13)
「読了本」カテゴリの記事
- '09年8月の読了本(2009.08.01)
- 樋口裕一/読ませるブログ 心をつかむ文章術(2009.07.29)
- 大石直紀/輪廻の山 京の味覚事件ファイル(2009.08.03)
- '09年9月の読了本(2009.09.01)
- 海堂尊/ひかりの剣(2009.09.13)
コメント
ズーニーさんの文章、私も大好きです。胸に直接届くような気がするので。
ほぼ日で連載されている「大人のための小論文教室」も、
毎週欠かさず読んでいます。最新のお母さんの話も良かったですよ。
投稿: risumago | 2005/09/29 00:39
■りすまごさん
こんばんは。
>胸に直接届くような気がするので。
同感です。
言葉を大切に大切にしていらっしゃいますよね。
そして同時に言葉の限界もキチンと知っている人だと思います。
ほぼ日は読んだり読まなかったりなのですが^^;、またちょっと覗いてみようかなと思います。
投稿: tako | 2005/09/29 23:22