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2005/09/22

高田崇史/QED 式の密室

QED 式の密室
高田 崇史
高田崇史/QED 式の密室

内容(「MARC」データベースより)
密室で遺体となって発見された陰陽師の末裔。式神を信じるその孫は他殺説を唱えるが… 。 晴明伝説の闇を照らし、 陰陽師にまつわる謎を完膚なきまでに解き明かす。講談社ノベルス創刊20周年記念、 本編が封印された 「密室本」。

「特別書き下ろし」だからなのか、他の作品に比べると量的にはかなり少ない(約140ページ)けど、 その分いつもは広がりすぎて追いつけなくなってしまう論調がスッキリまとまっていたし、事件と蘊蓄との絡み方も自然で、 作品全体のまとまりとして見ると今まで読んだ中では一番判りやすかった。
それに、いつもは事件の近くにいるくせに事件そのものには微妙な距離を置いている感じのタタルが(過去の回想とは言え) ちゃんとそこに絡んでる様子が新鮮でそういう雰囲気もよかった。
(小松崎は相変わらずウルサイ!)

何より「式」の存在についての解説にすごく説得力があって「あ、なるほど!」と思えたのが一番。

その「式」が生まれた構造を上手く利用して自然に事件に溶け込ませたところがこの作品の巧さだと思う。
密室のトリック(なのか?あれは)はかなりあっさりしてるけど、コテコテガチガチで「普通の人はそんなこと考えないだろ」 って感じのトリックより「気が付いたらそうなってた」とか人の気持ちによって作られた(結果的に出来上がった)謎のほうが私は好きだな。
まあ、ちょっと運任せって部分はあるにしてもね。

しかし、自分と同様の姿形をしているだろう相手を自分の都合で判断して「そこにいないものだ」=「見えない」 と分類してしまう心理ってすごいなあ…。
でも確かに人って「見たい物しか見えない」って部分はあるかも。
そう考えると、人間って魑魅魍魎よりも怖いよねえ^^;

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