昨日「エンタの神様」
を見ていたら女性のお笑いコンビ(
「クワバタオハラ」という人たちらしい。私は初見)が「前回の放送時にしてしまったことへの謝罪」をしていた。
なんでも前回の放送で2人のうちの片方がステージ上で服を脱いで胸を出そうとした(実際には脱ぐ前にステージから降ろされたらしいが)
ことに視聴者から抗議が殺到したことへの謝罪、だったらしい。
(私はその放送を見ていないのでどんな状況だったかは不明)
彼女たちが今までどんな活動をしていて前回どんなことがあったのかは知らないけど、
昨日のあの放送だけ見てた私としてはハッキリ言って「引いた」。
最初から最後まで謝っていたとかいうならまだしも、
最初は相方が謝っているのに当事者の方はちょっとキレ気味でネタのような発言をしていたんだよね。
まあ、それがそのまま全編「ネタ」ならそれはそれでアリかも知れないけど(私はそういう芸風は嫌いですが)、その後一転して謝り始めて、
最後は「これが私のケジメです」って泣きながら坊主頭にしたのを見せる(それまではカツラを被っていた)、という内容だったのだ。
いやいや、そんなところで泣かれても…却って引きますって。
客席にいる人なんかもっと居心地悪かっただろうなあ…。
そこにいるだけで「何か反応しなきゃ」って思うだろうし。
笑うために行ってるのに、なんであんな怖い状況を見せられなきゃならないのだ。
でもねえ、私はその芸人さんたちよりもTV局側の態度が問題だと思う。
だってこの番組って生放送じゃないんだもん。
もしかしたらホントに前回はこの人たちが勝手に暴走しちゃったのかも知れないけど、
それにしたってそれを放送するかどうかはTV局側が判断してるわけでしょ?
なのになんで放送はしておいて、「苦情が来たから」って本人たちだけを謝らすのかな?
謝るならTV局のスタッフが自分たちの不見識(放送していいかどうかの判断が出来なかった)を謝罪するのが本当じゃないの?
それを棚に上げて、当人たちだけを晒し者にするっていう感覚がよく判らない。
更に言えば、その「前回の暴走」自体もTV局サイドは知っていた、または敢えて局側から指示したとも考えられるんじゃないかと思う。
彼女たちは(ライブとかではどうなのか判らないけどTV的には)そんなに「売れてる」ってわけではないよね。
少なくとも私は(他の番組含めて)初めて見る顔、名前だったし、「エンタ」にも前回が初登場だったらしいし。
そんな「これから顔を売っていこう」と思っている芸人が、
せっかく与えられたチャンスを自分の感情のままにぶち壊すような暴走をすることってあまり考えられないと思うんだけどな。
いくら芸風が「キレ芸」(と言うのかな?)だったとしても。
だとしたら、前回の暴走もそして今回の謝罪さえもTV局側の演出って可能性はかなり高いのでは。
ただ、同じような(と言われるのがイヤなんだ、と「クワバタオハラ」の彼女は言っていたけど)
キレ芸のカンニングの竹山が最近は毎日のようにTVに出るようになっているのを考えると、そうやってでも人の話題に上る(こんな風にね)、
「誰なの?」って言われることには効果があるってことなのかも。
でもそれって本当に当の芸人さんにとって幸せなことなんだろうか?
他のお笑い番組が最初はネタ見せから始まるものの段々芸人のトークやレポートやゲームなどネタと別の場所に行ってしまうのに対して、
「エンタの神様」は(相変わらず「字幕多すぎだろ」とか、司会の2人は必要なのか?とは思うものの)淡々と1時間ネタを提供する番組であり、
新人も多く起用してるところは評価出来ると思う。
(その分「玉石混淆」の部分はあったとしても)
でも、せっかくそうした芸人さんたちの「芸」
を見るのを楽しみにしてチャンネルを合わせる視聴者を不快にさせるような演出をされるのは気分が悪いし、
せっかくの番組価値を下げることにしかならないような気がするのだけど。
これが「日本テレビ体質」なのかなあ。
ところで「坊主頭になる」ってのは女性芸人にとって「ケジメ」なんだろうか?
会社員の私だったら「お願いだから勘弁して下さい(泣)」なことだし確かに女性にしたら思い切った行動だとは思うけど、
芸人だったらそれ以前に「ネタ」になるって部分の方が大きいような気がして。
いわゆる「オイシイ」ってヤツですか?
だって、話題にしてもらえそうだし、しかもそのうち髪の毛って伸びてくるし。
じゃあ、何が「ケジメ」なのかと言われても困るけど。
それから、暴走した彼女が「女が芸人としてやっていくのは男より不利だということを訴えたかった」とか言ってたけど、
そうだとしたら余計にそんなことをしたらいけなかったのでは?
確かにそういう事情が現実にあるのかも知れないけど、
見ているこちらが2人について何の情報も持っていない状態でいきなりそんな主張をされてもよく判らないし、困る。
ある程度知名度が上がって、ちゃんと芸が出来るところも見せて、その上で「いや、実は…」と言うからこそ説得力って出るものじゃないかな。
例えば何回か出てちゃんとネタをやってるのにも関わらず、的はずれな批判が来るとか言うなら話は判るけど、
いきなり何も知らない相手に怒り出されてもねえ…。
そういう点から考えてもやっぱり暴走も謝罪も「ネタ」だったんだなあ…と思えてくるのでありました。
そんな風にTV局側、芸人(タレント)側双方合意のもとでやっている完全なる演出であるならば「不快だったら見なきゃいい」
ってだけの話なんだけどね。
(にしては長いエントリーだ(汗))
■前回の放送の状況、今回の件の考察は「廃墟の街」さんの『「エンタの神様」の功罪』
、 『「エンタの神様」の功罪
(クワバタオハラの謝罪)』に詳しく書かれています。
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