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2005/10/02

高橋克彦/鬼


高橋 克彦
高橋克彦/鬼

内容(「BOOK」データベースより)
平安の都で起こる怪事件の陰で跋扈する道鏡、菅原道真らの怨霊、邪鬼。弓削是雄、安倍晴明ら陰陽師の系譜を辿り、 歴史の暗部から世界を読み解いていく。藤原氏支配の礎を築いた政変"応天門の変"の謎を陰陽術で解き明かす「髑髏鬼」他、 秀逸な怪異譚全5編。 『白妖鬼』へ連なる妖かしの物語の原点がここにある。

いずれもタイトルに<鬼>の字が入る5編が収録された短篇集。
舞台となる時代が約130年に渡っているためそれぞれ登場する陰陽師も少しずつ変わっていきます。

「髑髏鬼(どくろき)」では若き日の弓削是雄とその師 滋丘川人、「絞鬼(こうき)」では前作から15年後の弓削是雄、「夜光鬼 (やこうき)」では賀茂忠行、「魅鬼(もこ)」では賀茂忠行とその子 保憲と弟子の安倍晴明、そして「視鬼」では年老いた晴明…。

どの陰陽師たちも冷静で思慮深く、奢らず我欲がなく、人々の平安こそが己の使命とわきまえた高潔な人物として描かれているし、 いたずらに術をかけたり式を使ったり、鬼と死闘を繰り広げるというような展開ではないため全体的に落ち着いた雰囲気の作品集でした。
物語も短い枚数の中できれいにまとまっておりとても読みやすかったです。

ただ、主役の陰陽師たちが割と似たタイプとして描かれているので、作品個々の面白みというのは希薄だったかも…。

その中でも「弓削是雄」の陰陽師らしからぬ逞しさ、人間くささを秘めたキャラクターはやはりちょっと異色。
この後シリーズ化されるだけのことはあります。
この作品で是雄に出会う<髑髏鬼>もシリーズの中同様ひょうきんでズーズーしいけどちゃんとやることはやるという、 いい感じに砕けたキャラクターが既に完成されています。
もしかしたら是雄よりも髑髏鬼を再登場させたくてシリーズ化したのかも?(笑)

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