映画:「メゾン・ド・ヒミコ」
TVCMだと「柴崎コウとはじめちゃん(オダギリジョー)が出てるのね~」ってことは判るけど、
物語の内容が全く判らなかったこの映画。
(あ、あとはじめちゃんが「女に興味がない」役だというのは判るか)
その後情報番組か何かで「ゲイ専門の老人ホーム」の話で、田中泯さん(「たそがれ清兵衛」で清兵衛と壮絶な斬り合いをした人ですね)
がそのホームの園長の卑弥呼役という情報を入手。
「なかなか面白そう」と思いながらタラタラしていたら10月7日で上映終了(@池袋シネマサンシャイン)だというので慌てて観に行ってきた。
もう終了間近だから空いてるのかな?と思ったら、ほぼ満員くらいに入っていてビックリ。
さすがに池袋、人が多いのね^^;
あ、それに今日は映画の日で1000円だったせいもあるかも?
全席指定で良かった~。
んで、映画の方ですが、なかなか面白かった。
卑弥呼の娘・さおり役の柴崎コウが良かった。
いっつも眉間にシワ寄せた不機嫌な顔してるしメイクも殆どしてないし髪はひっつめだし服も地味で、
ハッキリ言ってかなり不細工^^;
でもそれがあの状況に置かれた「さおり」という女の子の役をよく表現していた。
で、その不機嫌や嫌悪が物語の経過とともに段々共感や好意によってぎこちない笑顔に変わっていく。
よくあるパターンだけど、その経過が丁寧に描かれていたので自然だし効果的だった。
一方はじめちゃんはかなりカッコよかった!
彼は卑弥呼の恋人・春彦役。
髪型もナチュラルだし、服もシンプルで見た目も素敵だったし(髭もあのくらいなら許す(笑))、表情のあるまなざしや柔らかな仕草、
声と喋り方のバランスなんかもとてもよかったな。
彼ってすごく悪いことをしても、心の一番奥には決して汚れない美しいものを持ってるんだよ、という雰囲気を持っている…
と言うかそういう雰囲気を醸し出すのが上手い、と思う。
「オレ、女に興味ないんだ」って言われても「あ、そうなんだ~」ってすご~く納得出来ちゃうような、そういう「何でもアリ」
感を持ってる役者さんだと思う。
それと田中泯さんの存在感。
ほとんどベッドで横になったままの演技だったし、セリフもそんなにない(そして決して「巧く」はない)
んだけど出てくるだけで画面が緊張するような迫力があった。
特に最初にさおりと顔を合わせるシーンでスーッと音もなく部屋に入ってくるところが印象的だった。
会社の事務員に次々に手を出すさおりの会社の専務・細川。
好きにはなれないけど憎みきれないように設定してあるキャラクターのバランスが絶妙。
西島秀俊って最近こういう派手じゃないけどポイントになる役柄が多い気がする。
取りあえず私はさおりに「あの会社は辞めろ」と言いたい。
あんな小さい会社であんなことやってたら大変じゃないの?
最後に入ってきた事務員さんがすごいオバさんだったのは笑えた(笑)
ところで「メゾン・ド・ヒミコ」って誰が入居者で、誰が従業員かよく判らなかったんだけど…(笑)
さおりは週末だけだし、彼女以外にも以外にも若い人はいるけど特に忙しくしているわけでもなさそう。
それなのにあのクオリティが保てるのは何故?
(まあ、人数が少ないし、みんなけっこう元気そうだというのもあるかも)
それでも維持費にはかなりかかりそうだけどね^^;
あのダンスシーンと大学のゲイサークルのみなさんとの交流会は必要なシーンだったのだろうか…?
あってもいいけど、あんなに長くすることはないかな、と個人的には思いました。
反対にお盆のシーンはすごく印象的で素敵。
亡くなった家族や愛する人の写真を全部窓際のテーブルの上に並べて、その向こうのテラスでみんなで合唱するシーンには泣いてしまった。
ルビーの家族は偉いと思う。
普通殆ど一緒に住んだこともない(しかも病気の)父親を引き取ってくれって言われても大抵はイヤだ(と言うか「何で?」)
って思うと思うなあ。
(いくらゲイだと知らなくても)
それなのにちゃんと迎えにきたでしょう。
それだけでも偉いよね。
だから、あそこで「ヒミコ」のみんなが一番口に出したくなかった「狡さ」をさおりに糾弾させるのは効果的。
そしてそれは、さおりが一度きちんと彼らを理解しようとして、共感できる瞬間があった後だからこそ生きてくるシーンだったと思う。
ラストはハッピーエンドなのかなぁ?
取りあえず笑顔で終わってはいたけど、問題は何も解決してないでしょ。
さおりの借金とかメゾン・ド・ヒミコの存続とか…。
春彦とさおりだって別に恋人同士になるわけではないだろうし…。
まあ、そういう関係じゃなくても共感できたり、信頼できる人が近くにいるってことは素敵なことだろうとは思うけどね。
それよりも一番気になるのは、あの中学生がどうなったかだ!
春彦を見つめる熱い眼差しの行方は…??
こうやって人は自分という人間を発見していくのね~。
学校でいじめられてなければいいけど…^^;
■「::: メゾン・ド・ヒミコ :::」 公式ページ
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『メゾン・ド・ヒミコ』 オフィシャル・ブック |
オダギリ ジョー 柴咲コウ 田中泯 「メゾン・ド・ヒミコ」Official Photo Book 平間 至 |
メゾン・ド・ヒミコ サントラ 細野晴臣 |
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コメント
お邪魔します~♪
僕は、ダンスシーンけっこう好きでした~♪沙織が、本当にヒミコの一員になったんだなぁ!って伝わってきて、涙してしまいました。
ジョーは、カッコよすぎ!ノンケの僕ですが、彼に誘われたら、貞操差し出してもエエわぁ~♪(笑)
投稿: はっち | 2005/10/02 06:56
■はっちさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
>沙織が、本当にヒミコの一員になったんだなぁ!って伝わってきて
そう言われてみればみんなで笑顔だったのってあそこが初めてだったかも。
私もシーンとしては嫌いではないのですが、時間的にちょっと長いかなって気がしたのです。
はっちさんの感想に書いてあった
>ムチャクチャ感動した訳じゃないんだけど、心に染み込む何かを残してくれた
という部分、同感です。
ボディブローのように後から効いてくる映画ですね。
観て良かったです。
投稿: tako | 2005/10/03 22:45