細谷正充 編/江戸の満腹力
江戸の満腹力―時代小説傑作選
細谷 正充
出版社 / 著者からの内容紹介
美食家も大食漢も大満足のアンソロジー。
蕎麦、初鰹、おでん等々、多彩な献立で描かれる江戸の世に生きる人々の悲喜交々。池波正太郎、乙川優三郎、小泉武夫、竹田真砂子、 宮部みゆき、 山本一力他による傑作8編を収録。(解説・細谷正充)
面白かった!
こんなに最初から最後まで楽しめた時代小説のアンソロジーに出会ったのは初めてかも。
江戸時代を舞台にした作品をそこに出てくる「食べ物」をキーワードに集めた、少々変わった作品集。
どの作品にも江戸の町に暮らす人々と彼らに馴染み深い食べ物が登場する。
(唯一、澤田ふじ子「蜜柑庄屋・金十郎」だけは知多半島の話)
その食べ物の選び方や物語との絡ませ方が、それぞれの作家さんごとに違うのがいい。
そして名前を連ねている執筆陣の豪華なこと!
この名前を見ただけでどんな作品が入っているのかワクワクしてしまう。
しかも、どんなに著名な作家が集まってもこういう傑作選のような形式の作品集だと1つや2つは(自分の好みの問題も含めて)「う~ん…
イマイチ」という感じの作品が入っているものなんだけど、これは見事なくらいハズレがない作品集だった。
これを集めてきた編者の手腕に拍手。
どの作品も面白かったけど、一番好きだったのは小泉武夫「宇田川小三郎」。
殊勝で幸せな大酒呑みの話(^^)
自分が殆ど飲めないのでお酒呑む人の心情って判らないし、
今までそういう人が主役の話を面白いと思ったことなかったけどこれは面白かったなあ。
お酒を飲む人は小三郎をお手本にして下さい(笑)
時代小説好きな人、美味しいもの好きな人にオススメの一冊。
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