ポール・ギャリコ/猫語の教科書
猫語の教科書
ポール ギャリコ Paul Gallico 灰島 かり
内容(「BOOK」データベースより)
ある日、編集者のもとへ不思議な原稿が届けられた。文字と記号がいりまじった、暗号のような文章。"#YE SUK@NT MUWOQ"相談を受けたポール・ギャリコは、それを解読してもっと驚くはめになる。原稿はなんと、猫の手になる、 全国の猫のためのマニュアルだった。「快適な生活を確保するために、人間をどうしつけるか」 ひょっとしてうちの猫も?描き下ろしマンガ(大島弓子)も収録。
私は猫を飼ったことがないので、その動物が身近にいることの本当の良さ悪さというのは判らない。
そんな私でもこの本を読んだら「こんな猫に乗っ取られてみるのも楽しいかも…」と思うくらい、可愛らしい内容の本だった。
生後6週間で母親を亡くしながら自分の能力、魅力を最大限に駆使して人間の家に入り込みその家を「乗っ取」った優秀な猫が、
その手法を書き留め「猫用の教科書」としてまとめた、という設定の作品。
この人を喰った設定がまずステキ♪
更に猫の習性や行動の一つ一つ、そしてそれが人間に対してどんな効果があるのかが微に入り細に入り書いてあって、読んでいるとホントに
「猫が書いたのでは?」と思うくらい。
「別宅を持ってしまったら」なんて章まであるのだ!(笑)
(以前読んだ、猫が主人公の作品
『トマシーナ』(創元文庫)も面白かった!ギャリコは猫語が判るに違いない)
なんだかす~ごい小生意気なことが書いてあって「こんな風に思われていたとしたらちょっとムカつく」と思いつつも、
でも実際に目の前でその仕草をされたらメロメロになってしまうんだろうなあ、というのも理解できちゃうんだなあ。
猫との共同生活の経験のない私でも思わず「猫飼いたいぞ」と思うくらいだったので、猫好きさんは絶対ハマるはず。
オススメです♪
ちなみにこの本の内容を人間vs人間で応用する場合は、猫以上に細心の注意力と技術力、
そして頭の良さが要求されると思うので要注意。
だって猫って「猫である」というだけで許されてる部分があるからね。
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