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2006/01/31

山内美樹子/十六夜華泥棒-鍵屋お仙見立絵解き

十六夜華泥棒―鍵屋お仙見立絵解き
山内 美樹子
4334740111絵師・鈴木春信の美人画に描かれ「明和の三大美女」の一人に数えられた、笠森お仙。
笠森神社前の茶屋<鍵屋>の看板娘である彼女の身の回りで起こる事件を、惚れたお仙に会うために鍵屋に通い詰める穴熊の富蔵親分、 役者のような男前の飴売り 土平、絵双紙のネタ取りで一度聞いた話は忘れない袋耳の忠公らと解決していく短篇連作時代ミステリー。

表題作の他、「曲水の宴」「流星菊寿七変化」「五月雨琴の音遊び」の4編を収録。

「曲水~」「流星~」「五月雨~」ときて、最後に表題作という並びになっているんだけど、最初の3作はけっこう面白かった。
お仙を始めとして登場人物が魅力的だし、事件や謎もちょっとひねってある変わった雰囲気で楽しく読めた。

ただ、最後の表題作は…イマイチ。
何だか小説というよりも、単にあらすじが書いてあるみたいな感じ。
ストーリー自体他の作品と比べるとそんなに面白くないし。
各作品の初出が書いてないからよく判らないけど、この作品は「第三回北区内田康夫ミステリー文学賞審査員特別賞」受賞作、 とのことなのでデビュー作なんだと思う。
う~ん、これで受賞ですか…と失礼なことを考えてしまったり^^;
でも、そのあとの作品があれだけ面白く出来上がっていることを考えるとやはり審査員は見る目があるのね、とも思う。

作品の中には「お仙はただの茶汲み娘ではなくさる有力者の血筋で、特別な裁きの許しを得ている」 という設定が出てきたりして面白いな~と思うと同時に、それが全作品共通のものでなくて1作品くらいにしか出てこないので「思いつき」 みたいにも見えてしまうところが残念。
登場人物の設定をもっと作りこんで行けば面白いシリーズになると思うので、次の作品に期待したい。

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