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2006/02/05

佐々木ひとみ/英国アンティーク夢譚

英国アンティーク夢譚
佐々木 ひとみ
458418657X

内容(「MARC」データベースより)
「俺が見えるんだね。ここへ来て初めてだよ。俺に気づいてくれた人…」 モノが時を旅し、人の手から手へと渡りながら紡いできた物語。 語りたがるモノたちの4編の不思議な物語を、ゴーストと一緒にたどる。

初めて読む作家さんかな~と思っていたら、以前 『イギリスを歩いてみれば』というガイドブック的な本を読んでいたことを思い出した。
読んだのがもう随分前なので詳細は思い出せないけど、普通のガイドブックでは書いていないようなその土地の風習とか観光ポイント、 遊びや宿泊のときのアドバイスや役に立つ簡単な英会話まで書いてあってけっこう面白く読んだ記憶がある。
(そのときの感想はこちら
この本は著者の個人的な体験を元にしたものであったと思うので、この著者さん自身がイギリスが大好きなんだろうな、と思う。

今回の作品もタイトル通りイギリスが舞台。
アンティーク初心者だけどいつか自分でお店を持ちたいと望んでいる日本人女性が、 勉強と仕入れを兼ねて訪れたイギリス各地でアンティークにまつわる幽霊譚に巻き込まれる、という内容。
なので、イギリスの郊外(田舎)の風景がたくさん出てくるんだけど、そういうイギリスの風景やお店、イングリッシュガーデン、 建物などに関する描写はやはりとても丁寧かつ的確に表現されていた。
私もかつて訪ねたことのある場所もいくつかあって、読んでいるとそのときの記憶がフワッと浮き上がってきて「ああ、あそこで●●したなあ」 とか思い出すことも多かった。

ただ、それに比べて物語の部分(アンティークにまつわる幽霊話)のほうは、正直イマイチ…。
主役の麻美はもともと「見える」体質でそのために数々のトラブルに巻き込まれるという設定なんだけど、それにしては無防備すぎるんじゃ? という部分が多いのがすごく気になった。
巻き込まれないことには物語が進まないわけだから巻き込まれてしまうこと自体はいいんだけど、そこに至る過程が弱すぎると思う。
それだけ何度もトラブルに巻き込まれているなら、普通もうちょっと神経質になったり懐疑的になったりするんでは?
それなのに麻美は全く無防備なんだよね。
で、巻き込まれてから初めて「しまった!」と思ったり、うんざりしたりしてるんだけど…だったらもう少し注意しろよ、と(笑)
それから彼女には日本で出会った少年・亮平が同行しているんだけど、彼はなんと幽霊なのだ!
この亮平の存在っていうのも説得力不足。
別に麻美がトラブルに巻き込まれても助けてくれるわけではないし、 それに何故イギリスの幽霊はダメな麻美が亮平だけは友人として付き合えるのかよく判らなかった。

人物の感情表現もあまりお上手ではないようなので、 あまり凝った話にせずその場所の観光案内をメインにしたもうちょっと軽いお話しにした方が良かったんじゃないかな。

ああ、でも私の「イギリスに行きたいよ~」という気持ちをくすぐるには充分な内容だったな。
あの重~い質感の空気に久々に触れたくなってきた(笑)

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コメント

わたしもこの本読みましたが…。設定はいいと思うんだけどなー。
麻美の浅慮さ加減に「おいおい」と(笑)
幽霊に対する感覚もそうですけど、アンティークを職業にするならもうちょっと勉強しないと〜。
あとひとねりできたら「しゃばけ」シリーズのようになれそうなのに、勿体なかったです。

ところで、本全体がわりと重たい空気感だなーと思っていたんですけど、
そうか、実際のイギリスが重いんですね。いいなー、行ってみたい…。

投稿: sumi | 2006/02/05 03:59

■sumiさん
こんにちは。コメントありがとうございます(^^)

sumiさんの感想も読ませていただきました。

>生活や資金、今後の展望など、どーなっているんだろう?

という部分、大きく頷いてしまいました!(笑)
(勝手に引用、ごめんなさい^^;)

イギリス滞在中にしてもいくらB&Bに泊まったりしてもイギリスってそんなに物価が安いわけじゃないから滞在日数が多くなればけっこうお金掛かると思うんですけどね~。
しかもかなり「行き当たりばったりな」(笑)旅に思えるし。
そのお金はどこから出ているのだと思いながら読んでいました。
亮平くんも出すなら単にちゃちゃを入れるだけの存在ではなく、もっときちんとした役割を持たせたら良かったのに…。

>実際のイギリスが重い

やはり「霧の都」ですから(笑)
特に私は秋から冬にかけてのイギリスしか知らないのでそう感じるのかも知れませんが、いつも質感があって身体にまとわりつくような空気を感じてました。
でも、基本的に日本というのも湿度の国だと思うので(少なくとも私は)あのしっとりした空気が肌にも気持ちにもピッタリ来るんですよね。
古い建物や広い公園(しかも何もない!(笑))、数限りない美術館や博物館など、私の好きなものがたくさんあってホントに何度でも行きたい国です。

sumiさんもきっと好きだと思いますよ。
機会があったら是非出掛けてみて下さいね(^^)
あ、でも冬は寒いです~^^;
雪はあまり降らないけど、殆ど曇りか雨で外を歩くのはちょっとツライです。
なので、せっかくだったら5月とか6月とかの「バラの季節」がお奨めです♪
この時期だったら、明るい時間が長いので遅くまで遊べますよ(^^)

投稿: tako | 2006/02/05 10:43

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