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2006/03/16

TV:「神はサイコロを振らない」最終回

う~ん…なんかちょっと消化不良。

いや、泣きましたよ。
大好きな人、大切な人と別れなくてはならない、そんなシチュエーションにはムチャクチャ弱いから。
出来がどうであれ、物語自体がそこに向かっていってしまったらもう無条件で泣いてしまうタイプなのだ^^;
(だから、あまりこの手のドラマや映画は見ないことにしている)

でも、それとドラマが面白かったかは別の話。

と言っても(歯切れが悪いけど)「面白くなかった」わけではないんだよね。
少なくとも途中まではすごく面白く観てた。
あのシリアスな物語の中で違和感がない感じでユーモアが感じられる演出をしているのも好感が持てて、それだからこそ 「このままでラストはどこに着地するんだろう」って楽しみにしていた。
それなのに、終わってみたらやっぱり普通…ちょっとガックリ。

最終回の3回くらい前からかな、何となく「あれ?」って思い始めたんだよね。
何だかどんどん内容がシリアスなほうに一方的に傾いていって、 更にいろんな人のいろんな背景を描こうと思いすぎて却って拡散している印象があって。
亮くんちの話はよかったけど、そのあとの神蔵夫妻の話(いじめられていた教え子を捜す)とか、お笑いコンビの話(劇場を借りる話) とかはちょっと無理があったと思う。
あの辺りから、その前までの雰囲気や話の運び方と随分変わってしまった感じを持ったんだけど…気のせいかな?
で、結局その印象のまま終わってしまった感じ。

ラストは原作よりも少しだけ含みを持たせた結末になっていたけど、 あれだったら最後までバッサリ幕を引いた原作の方が私は潔くて好きだな。

何よりテツが任された試みがその瞬間どうだったかが全くよく判らなかったのが不満!
(完璧にフォローするんじゃなくても、その瞬間だけでも映るとかしても良かったと思う)
あれじゃあ、何のためにあのパーティーを蹴ってまで長崎に行ったのか判らないじゃないのよ~!
みんなで集まったのにさ!
単にあれはヤッチとの別れのシーンを描きたかっただけなの?
だったら最後くらいハグしても良かったのでは…。

最初からずっと疑問だったのは、何故ヤッチは上司(しかもかなり偉い)から「君か…君はもういいから下がっていなさい」 とまで言われてしまう存在だったのかが明確に説明されていなかったこと。
だって普通に仕事していて、会社の重役に「君か…」って言われてしまうことってそんなにないと思うんだけど。
それって、彼(引いては会社)にとってマイナスの記憶(しかもかなり強烈な)に残る何かを彼女がしでかしたってことでしょう。
多分それは402便関連であって、同時にそれは402便が戻ってくる前のヤッチの「全てを適当にやり過ごして無事に定年を迎える」 なんていう諦めの心境の原因でもあると思う。
でも、それは「多分そうだよね」と察するだけで、物語の中で明確に「こう」と語られることがなかった。
(と思う。もしかして私が見逃しただけ?)
私にはそれがずぅっとフシギだったんだよねえ。
別に事細かに説明してくれなくてもいいんだけど、何故あそこまでヤッチが上司に眉を顰めてみられる存在にならなければならなかったのか、 そしてそれでも尚会社を辞めずにそこに居続けたのかをもう少しフォローしてくれても良かったんじゃないかと思う。

402便で親友と恋人を同時になくしたこともまた彼女にとっては大きな事件であったことは間違いないけれど、 その後自分なりにそれに立ち向かおうとしたときに感じた会社との軋轢や理不尽な思い、それでも尚そこに居続けようと決心した葛藤、迷い、 諦め…などなどの方が、黛ヤス子の人生にとっては大きな意味があったのではないかと私は思うのだけど。

それをフォローした上で、帰ってきた402便のお世話係にもう一度復帰し、 10年前に果たせなかった思いを一つ一つ整理するうちに上司ともまた心通い合う、そんなドラマが見たかった。
(先週あたりからいきなり本部長がいい人になっているので驚いたぞ!)
黛ヤス子を主役に据えてあれだけの時間をかけて描くのだったら、その辺をもう少し丁寧に描いて欲しかったなあ。

この作品は設定だけを原作からもらって全く新しい人物設定と相関図の中で描かれた方がよかったんじゃないのかな。

「神はサイコロを振らない」(公式サイト)


原作の感想はこちら→■「大石英司/神はサイコロを振らない」

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コメント

こんばんは[ハート]

>最終回の3回くらい前からかな
そうなんですよねえ。
私、最終回はバタバタしていてじっくりじゃなくって流し見だったのでちゃんとした意見は言えないんですけど・・。

原作の方が断然面白かった!というか、別物でしたね。

>この作品は設定だけを原作からもらって全く新しい人物設定と相関図の中で描かれた方がよかったんじゃないのかな。
同感!

投稿: 桜桃 | 2006/03/16 22:28

■桜桃さん
こんにちは。コメントありがとうございます。

>原作の方が断然面白かった!というか、別物でしたね。

そうですね~。
でも全く別かっていうとそうでもないところが、却って引っ掛かってしまうんでしょうね。
私としてはやっぱり「いい人」もいれば「悪い人」もいて、でも同じように時が過ぎて消えていくという描写が好きだったのですが…TVドラマだとそんなに悪人は登場させられないのでしょうか。

私の好みからいうと、あまり誰かに入れ込み過ぎずに同じくらいの距離感で淡々と最後まで描いて欲しかったです。
(それこそ原作みたいに)
やはり主役をヤス子にした時点で、全く別の物語にしたほうがよかったですよね。

投稿: tako | 2006/03/16 23:01

takoさん、こんばんは。
最終回、リアルタイムで観れず、
ややあって、
やっと先ほど、ビデオで観終わりました。

上司のくだり、やっぱり私も気になります。
そして、急に終盤良いヒトになっていたのも・・・

好きなドラマではあったのですが、
何だかすべてが散漫なまま終わってしまったのが
残念でした。

ともあれ、原作を読んでから観たことで、2倍楽しめました!これからも心がけます。

投稿: 濱 登良子 | 2006/03/19 18:49

■濱さん
こんにちは。コメントありがとうございます[ハート]

スタートはよかったのに、後半の失速が惜しまれますね…。
ヤス子か乗客かどちらか片方に焦点を絞った方がよかったのかも。

>原作を読んでから観たことで、2倍楽しめました!

原作を読みつつ映像作品を観るのは、楽しめる反面、失敗する場合もあるので難しいですよね。
でも、そういう楽しみ方もあることが判っただけでもよかったかも?

何か面白い作品があったら紹介して下さいね。

投稿: tako | 2006/03/19 23:14

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