斎藤美奈子/あほらし屋の鐘が鳴る
あほらし屋の鐘が鳴る
斎藤 美奈子
内容(「BOOK」データベースより)
失楽園、もののけ姫、バイアグラ、ゴーマニズム宣言など、平成のおじさんたちの“勘違い”を、斎藤美奈子が 「なにをゴチャゴチャゆうとんねん、あほらし屋の鐘が鳴るわ」とカーン。「女性誌探検隊」では、「an・an」から「暮しの手帖」 まであまたある女性誌を俎上に、これまた的確なる情勢分析をほどこします。
「平成のおじさん」の言動を研究、解明した『おじさんマインドの研究』(雑誌「pink」連載)と、様々な女性誌それぞれの変遷、 傾向と対策を書いた『女性誌探検隊』(雑誌「uno」連載)の2本立て。
斎藤美奈子さんの本は今までにも何冊か読んだことがあるけど、 どれを読んでも最初はそのメリハリの効いた文章やキッパリした語り口を楽しんで読めるもののだんだんその繰り返しが鼻に付いてきて、 最後には「もうお腹いっぱい!」と思ってしまうことが多かった。
でも、この本は珍しく一冊通して面白く読めた。
というのは、この本で著者の標的にされているのが「おじさん」だから。
相変わらず舌鋒鋭く「おじさん」の変な部分、どうしようもない部分を赤裸々に解明していくけど、自分には(多分(笑))
重なることのないことなので全部「ヒトゴト」としてニヤニヤ笑いながら読めたって感じかな。
同時にこの本を読んで感じたのは、意外なことにその対象(つまり「おじさん」)に対する著者の「愛」なんだよね。
「まったくもう!」と言いながらも、「ま、仕方ないか」って許してる感じ、というか。
いつもだと著者の本を読むたびに「確かにそうかも知れないけど、もっと対象に対する敬意があってもいいのでは?」と思うことが多いんだけど、
この本の内容にはそれと全く逆の印象を持った。
これって、対象が自分から離れていることで客観的に読めた結果、著者の本質が見えたってことなのかな?
だとしたら、私の肝っ玉のなんと小さいことよ…^^;
一方『女性誌探検隊』 も8~9年前の連載のため多少古い情報であることは否めないものの
(なんて偉そうに言えるほど女性誌読んでないですけどね…^^;)、それぞれの雑誌の特徴をよく捉えていて面白くも読み応えがあった。
著者の観察眼の鋭さがよく出ている作品。
今度は男性誌バージョンも読んでみたいなあ。
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