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2006/05/03

服部まゆみ/レオナルドのユダ

レオナルドのユダ
服部 まゆみ
4041785065

内容(「BOOK」データベースより)
神に選ばれし万能の天才―画家にして彫刻家、科学者、医師、音楽家でもあったレオナルド・ダ・ヴィンチ。 気高く優雅な魅力を放つ彼の周りには、様々な人々が集っていた。貴族の跡取り息子でありながら、 レオナルドに魅せられて画房の弟子となったフランチェスコ。絶世の美青年だが、傍若無人なふるまいで周囲を混乱させるサライ。そして、 レオナルドの才能を決して認めようとしない毒舌の人文学者パーオロ。天才レオナルドの魅力を真摯に描き、彼が遺した『モナ・リザ』 の謎に迫る、著者渾身の歴史ミステリー。

「ダ・ヴィンチ・コード」の映画公開を控えて本屋の平台は関連(?)本が花盛り。
これもその中の1冊、なのかな?

服部まゆみさんの作品は以前『ハムレット狂詩曲』(読了)と『一八八八切り裂きジャック』(途中で挫折^^;) を読んだことがあるんだけど、どちらも長編で描写があまりにも丁寧すぎてなかなか物語の核心部分が見えてこない作風に苦手意識があった。
この作品もタイトルには惹かれるものがあって毎回手に取るんだけど、そうするとこの苦手意識が頭に蘇って「やっぱり…」 と元に戻すのを何度かやった末にようやく購入、読了した。

…やっぱり読みにくかった^^;
文章はそうでもないんだけどね~…「話が長いっ!」と思ってしまうんだよねえ。

物語は貴族の子弟に生まれながら、ダ・ヴィンチの弟子となったフランチェスコ・メルツィと彼に仕える従僕・ジャンを中心にダ・ ヴィンチの後半生を描く、といった構成。
殆どの部分はダ・ヴィンチの功績と人間的な素晴らしさ、才能などの描写に費やされ、 それに加えて家柄も教養も美貌さえも兼ね備えたフランチェスコがダ・ヴィンチの愛弟子として大切に扱われていく様子を、 その同じ場所にいながら立場の違いによって同等の扱いを受けることが叶わない日々の中で少しずつ変質していくジャンの視点で描かれている。

とにかく、あまりにも情報量が多すぎる。
ダ・ヴィンチその人を描きたかったのか、フランチェスコとジャンの関係を描きたかったのか、時代を描きたかったのか、 彼の作品に隠された謎を描きたかったのか…。
あまりにも詳細な事柄まで書き込みすぎているので、読んでいる方は(物語にとって) 何が重要で何が重要じゃないか判断するのがすごく難しくて非常に疲れた。
しかも、ずっとジャンの視点のまま行くのかと思ったら、途中でいきなりダ・ ヴィンチを一方的に憎んでいるパーオロとかいう数学者視点に入れ替わってしまうのも、ちょっと違和感。
まあ、結局ジャンもフランチェスコ同様賛美の目でしかダ・ヴィンチを見ていなかったわけだから、 それとは別の視点を取り入れようと思ったのかも知れないけどどちらにしても両極端で共感は出来なかったな。

作品紹介には「歴史ミステリー」と書いてあって、もしかしたら著者もそのつもりで書いたのかもしれないけど、 謎が謎として提示されるのは最後のほんの一瞬だけだった。
(考え方によっては、ずっと「謎」であったけれども誰も気付かなかったってことかも。でも、それって「ミステリー」なの?)
内容は常に取り沙汰される「あれは誰だったのか」という問題に関することで、それ自体は「ああ、なるほど」と思う推論ではあるのだけれど、 それを提出するタイミングというか方法論や結末が非常に唐突で曖昧なので、 かなり長い物語を読んだわりには物足りなさだけが残ったような気がする。

もっと登場人物や、時間、場所をを絞って全てがその謎に集約されるように書いていった方が、面白かったんじゃないのかな。


ダ・ヴィンチ・コード(上)
ダン・ブラウン 越前 敏弥
4042955037
ダ・ヴィンチ・コード(中)
ダン・ブラウン 越前 敏弥
4042955045
ダ・ヴィンチ・コード(下)
ダン・ブラウン 越前 敏弥
4042955053
ハムレット狂詩曲
服部 まゆみ
4334730817
一八八八切り裂きジャック
服部 まゆみ
4041785057

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