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2006/06/24

近藤史恵/にわか大根 猿若町捕物帖

にわか大根 猿若町捕物帳
近藤 史恵
4334924913

出版社/著者からの内容紹介
男前でもてるのに堅物の同心・玉島千蔭と、お人好しでおっちょこちょいの岡っ引き・八十吉の名コンビが大活躍!
次々に起こる事件に、千蔭の勘と推理力が冴え渡る。
そんな中、千蔭に押しかけ女房が…?! 美貌の花魁・梅が枝との仲はどうなる?
軽妙と繊細が絶妙にマッチした、近藤史恵の真骨頂!

久々の「猿若町捕物帖シリーズ」。
面白かった~♪

近藤さんの作品を読むと「不安定」で「危なっかしい」という印象を持つことが多い。
(もちろん作品によって印象は変わるし、何よりその不安定さもまた魅力である、と思っているのだけれど)
でも、この「猿若町捕物帖」はすごく安定していて、とても読みやすい作品に仕上がっている。
一番最初の作品(「巴之丞鹿の子」)を読んだときから「面白い」と思っていたけど、 作を重ねるごとに安定感が増していて魅力的なシリーズに成長していると思う。

なによりも好感が持てるのが、登場人物の個性がハッキリしていることと、彼らの行動原理が判りやすいこと。

仕事も出来て男前なのに堅物で、30を過ぎても独身を通している主人公、南町奉行所の同心・玉島千蔭を筆頭に、 千蔭の父で顔は似ているが性格は正反対の洒落者・千次郎。
千次郎の代から玉島家に小者として仕え、今は千蔭の手足となって働く八十吉、中村座の人気女形・巴之丞、 その巴之丞とそっくりな美貌を持ち過去に浅からぬ因縁もあるらしい吉原の花魁・梅が枝…。
おなじみの登場人物たちが個性を振りまきながら物語の舞台に登場して、それぞれの役割をキッチリこなしていく。
そしてそれぞれが、物語に奥行きと広がり、落ち着きと華を与えているのが楽しい。

今回何よりもビックリだったのは、千次郎が前作で千蔭の見合い相手だった17歳のお駒と本当に夫婦になっていたこと!
今の時代だってそれはちょっとビックリだよ、お父上(笑)
でも、千次郎と千蔭の男2人きりよりも、17歳のお駒が間に入ることで2人の関係が以前よりも上手くまとまってきた感じ。
お駒を加えた3人のコンビネーションの今後に期待。

物語は「吉原雀」「にわか大根」「片陰」の3つの別々の物語がそれぞれ完結しつつ、 それを通して語られるもう一つの謎によってそれぞれの物語が微妙にリンクしていて、最後の物語が完結するのと同時にその謎も解決する、 という構成。
謎も謎解きもひとひねりが効いていて面白かったし、 著者お得意の歌舞伎についての記述も主張しすぎないけどピリッと効果的に使われていて楽しく読めた。

これからも続編が楽しみ(^^)


巴之丞鹿の子
―猿若町捕物帳

近藤 史恵
4344401670
ほおずき地獄
―猿若町捕物帳

近藤 史恵
4344402847

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