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2006/07/13

畠中恵/うそうそ

うそうそ
畠中 恵
4104507059

内容(「BOOK」データベースより)
日本橋の大店の若だんな・一太郎は、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいた。その上、 病だけでは足りず頭に怪我まで負ったため、主に大甘の二人の手代、兄・ 松之助と箱根へ湯治に行くことに!初めての旅に張り切る若だんなだったが、誘拐事件、天狗の襲撃、謎の少女の出現と、 旅の雲行きはどんどん怪しくなっていき…。大好評「しゃばけ」シリーズ第五弾。

面白かった~♪

今までは家の中で寝てるか、出掛けるにしても近所の栄吉のお店くらいがせいぜいだった若だんなが、なんと初めての旅に出る、 しかもその旅先で数々の事件に巻き込まれるという今回の長編。
江戸(というか自分の家)を離れるだけでも一大事なのに、夜中に誘拐されちゃったり、夜の山道を歩いたり、 天狗と戦ったりと今までの若だんなには見られなかったアクティブなシーンがたくさんあって楽しかった(^^)
私はこのくらい視点の広がりがあったほうが物語として読み応えがあって好きだな~。
もちろん今までの作品も嫌いなわけじゃないけど、若だんなの行動範囲が狭いからその分小さくまとまりがちで「物足りないなあ」 と感じていたので。
そのためか、今までは若だんなメインのものよりも、どちらかというと仁吉や佐助や鳴家たち妖が中心にいる物語のほうが好きな作品が多かった。
それが今回は若だんなが初めての旅先でいろんな事件に巻き込まれて、頭だけじゃなくて身体も使って (だからもちろんちゃんと寝込むわけだけど(笑))、いろんな人に会って、いろんな人の想いを受け止めて若だんならしく一回り成長する、 そういう物語だったので、久々に「みんなまとめて面白かった」と思えた作品だった。
また、楽しいだけじゃなくて、若だんなが箱根の姫神様であるお比女の哀しみ、悩みを受けて、「自分の存在意義」について考えるシーンや、 箱根で知り合った雲助・新龍の昔語りなどシリアスなシーンも盛り込んであって緩急の差がハッキリしていたのもよかったし、悪役 (というにはちょっと微妙かな…。でも、若だんなに害をなそうとする人物)の最終的な処遇にしても単に断罪するのではなく、 その人なりの背景を考えた上で希望を残す終わり方をしているのがよかった。

ただ、若だんなを活躍させるためには仕方ないのかも知れないけど、2人の兄やたちの出番が思ったほど多くなかったのがちょっと残念。
しかもちょっと物語への出入りがゴチャゴチャしていて、状況を把握しにくかった部分もあったかな。
2人は2人で動いている様子も同時に描いてくれると判りやすかったかも。
鳴家は相変わらず可愛い~♪
付喪神のお獅子との連係プレーもグッドでした(^^)

せっかく湯治に行ったのにいろんなことがあってなかなかお湯に入る機会が出てこない話になっているけど(笑)、 このあとはちゃんと療養してもうちょっと丈夫になって欲しいなあ。
まあ、今や「病弱である」というのも若だんなの重要なキャラクターの一つだとは思うけど…でも、やっぱり今後もシリーズを続けるのであれば、 もうちょっと自分で歩ける範囲が広い方が物語の視点も大きく取れるからいいなじゃないかと思うな。
だからこの機会にほんのちょっとでもいいので若だんなを丈夫な身体にしてあげて下さい。
せめて店番くらいは兄やたちに許して貰えるくらいには…。

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コメント

つい最近この新作の存在を知って、順番待ちを楽しみにしているところです。
あの病弱な若旦那が、なんと旅に出かけてしまうのですね~[!]
ちゃんとたどり着けるのかしら、と兄やたちのように心配してしまいますw

> もうちょっと自分で歩ける範囲が広い方が物語の視点も大きく取れるからいいなじゃないかと思うな。

最初の巻の寝込み具合から比べると、
後の巻きは大分元気になったほうではないかと思います。
ま、もっと歩けないと、話の幅は広がりませんけれど[…]

元気になっていろいろ行動範囲を広げてほしい反面、
うんうん言って兄やたちに心配されている姿が見られなくなるのは、
少し淋しいですw

投稿: KOROPPY | 2006/07/14 16:48

■KOROPPYさん
こんにちは。コメントありがとうございます。

Amazonの感想はけっこう厳しいですが^^;、私はシリーズの中でもかなり好きな作品でした。
全体の流れとかまとめかたがよかったです。

私は発売後すぐに新聞広告で見かけて図書館に予約したのですが、それでも1ヶ月半くらい待たされました。
でも、読み始めればサクサク読めるのでわりと早く回ってくるかも知れませんね。
KOROPPYさんの感想、楽しみにしています。

投稿: tako | 2006/07/17 19:28

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