高田崇史/麿の酩酊事件簿〈花に舞〉
麿の酩酊事件簿〈花に舞〉
高田 崇史
出版社 / 著者からの内容紹介
名門・勧修寺(かしゅうじ)家の十七代目当主にしてベンチャー企業のオーナー、文麿(ふみまろ)。三十一歳・独身貴族の彼は、 理不尽な家訓に適(かな)う素敵な花嫁を募集中。しかし彼の前に現れる美女たちは、なぜかトラブルメーカーばかり。 彼女たちが巻き込まれた事件を、酔うほどに冴える酩酊推理で解決する文麿だが、結婚への道は遥か遠く!?
面白かった♪
「起」「承」「転」「結」がパターン化された構成とスピーディーな展開、物語ごとの個性的な設定で飽きずに読める連作短篇集。
特に酒を飲みすぎて前後不覚になると急にキャラが変わって謎を解き始め、
その後二日酔いから醒めると狙っていた相手から自分の記憶にない内容とお礼、そして別れの言葉が書き綴られた手紙を受け取って終わる、
というマンガのような展開が好きだった。
まあ、実際に元々「マンガの原作」だったのを小説化したそうなので、「マンガのよう」であるのも当然か(笑)
(原作者の名前は「高田紫欄」というらしいけど、これって著者と同一人物だよね?)
事件の謎解きは、その物語のメインの趣味とか職業特有のしきたり、
慣習などに拠るものが殆どだったので門外漢の私としては特に推理したり出来るレベルの話ではなかった。
でもそれは「QED」シリーズでも同様だから特に問題なし。
却って私は「QED」シリーズのように判ったような判らないような話を長々とされるよりは、
この作品くらいにピンポイントの薀蓄をサラッと披露してくれる程度のほうが読みやすくて好きだな~。
それでも、著者の博覧強記ぶりは充分に覗えるし。
主役の文麿をはじめ、口うるさいお祖母様、職務に忠実で博識な執事などパターン化された登場人物も楽しかった。
「ショパンの調べに」「待宵草は揺れて」「夜明けのブルー・マンデーを」「プール・バーで貴女と」の4編を収録。
続巻が出ているらしいので図書館で予約しておこうっと。
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