北森鴻/親不孝通りディテクティブ
親不孝通りディテクティブ
北森 鴻
内容(「BOOK」データベースより)
タクシー強盗と、港の火事、そしてスーパーの警報騒ぎ、同時に起こった事件の意外な関連とは…。中洲の屋台でバーを営む鴨志田鉄樹と、結婚相談所の調査員・根岸球太。腐れ縁の通称「鴨ネギコンビ」が、どういうわけか、物騒な事件に関わっていく。博多を舞台に大暴れ!ハードボイルド・ストーリー。
福岡・中州でカクテル専門という少々毛色の変わった屋台を営むテッキと、恩師の経営する結婚相談所で調査員として働いている女好き・お調子者のキュータは高校からの腐れ縁。
2人が巻き込まれる(引き寄せる?)トラブルの顛末を描いたミステリー短篇集。
表題作の他「セブンス・ヘブン」「地下街のロビンソン」「夏のおでかけ」「ハードラック・ナイト」「センチメンタル・ドライバー」の計6編を収録。
キャラクター設定も多彩だし(でも私はキュータのキャラは苦手^^;)、ストーリー展開もスムーズかつスピーディー。
ストレスなくスルスル読める短篇集。
設定が凝りすぎていて、途中でよく判らなくなってしまうことも何度かあったけど、文章が巧いのでなんとなくスルーッと読めてしまうのは「さすが北森作品」といったところ。
(誉めてるのか貶しているのか自分でも不明(笑))
全体的に面白かったけど、ラストだけはちょっと腑に落ちないな~。
フィクションだしエンターテイメントであることは理解しているので「道徳的であれ」と思っているわけではないけど、それまでの物語の中で表明されてきたキャラクターの設定とその行動はギャップがある感じ。
心情的には判らなくもないけど、あのキャラクターだったらああいう行動はとらないのではないかと思うんだけど。
それまでの展開は面白かっただけに最後でミソが付いてしまったようで残念。
あ、あと、主人公2人が母親のように慕う恩師(現在はキュータの会社の社長)のバックグラウンド(何故2人にそこまで信頼されているのか)がもう少し掘り下げてあってもよかったかな。
(読んでいるとなんとなく判ったような気になってしまう部分も確かにあるんだけどね…(笑))
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