« 「アクセラレータ」って何なのよ? | トップページ | 北森鴻/親不孝通りディテクティブ »

2006/08/24

高田崇史/QED 鬼の城伝説

QED 鬼の城伝説
高田 崇史
4061824090

内容(「BOOK」データベースより)
岡山・吉備津神社に今も伝わる、占卜「鳴釜神事」。大和朝廷によって退治され、土中深く埋められた鬼神―温羅の首が、釜を唸らせて人の吉凶を告げるという。一方、これとは逆に、総社市の外れ、鬼野辺家に先祖代々伝わる大きな釜には、鳴ると凶―主が死ぬという言い伝えがあった。そして…、不吉の釜が鳴り、土蔵に長男・健爾の生首が!?旅の途中、事件に遭遇した崇は、事件の核心“桃太郎伝説”の騙りを衝く。

これはかなり興味深い作品だった。
といってもテーマとかモチーフではなく、作品の構成上の話。
今までの作品では殆ど最初から最後まで出ずっぱりでひたすら一人で喋り倒していたタタルが頭から3分の2くらいまで不在(例の4人で岡山に旅行に行くはずだったのに、タタルだけ所用で後乗りになった)で、物語も佳境に入ってからようやく姿を現す…という設定だったのだ。

で、気が付くのは「この話、タタルがいないほうがまとまっているんじゃないの?」ってこと(笑)

タタルが登場しない部分では、奈々の妹の沙織や小松崎、地元の女の子2人が案内人になってくれてタタルほどは詳しくないけど、そこそこ丁寧な解説を聞かせてくれて却ってこっちのが判りやすかったし、事件との関係性も、タタルが登場するまでのほうがバランスが取れていたと思う。

ところがタタルが登場した途端、他の3人からちょっと事件についてレクチャーを受けて現場をチラ見しただけで「謎は全て解けた」状態になってしまって、その後は相変わらずの「だからその話は事件と何の関係があるんだ」的な話が延々と続くという…(汗)
殺人事件の解明をしようという場にあっていきなり「鬼」の話から始まる、まるで「蝶の羽ばたきが嵐を起こす」みたいな話をされてみんな黙って聞いてるわけないと思うけど。
と言ってもこれは「お話」なんだからそれはそれで仕方ないと思う。
でもだったらタタルにどんどん話させとけばいいのに他の登場人物がヘンに軌道修正を試みようとするのが、却って「うざったい」なあ、と思えてしまうんだよね~。

あと、最初の殺人の動機もちょっと腑に落ちなかったなあ。
「それ」が他人に知られてはいけないような重要なものである、という説得力がそれまでの記述からは感じられなかった。
あと、人間関係も妙に複雑だけどその状況に合わせて組み合わせているだけって感じがしたし。

まあ、基本的にこのシリーズの場合、歴史の謎解きのほうがメインだから、殺人事件に文句を言っても仕方ないってことか…(笑)

あ、でもダイイング・メッセージについての考察は納得、というか同意。
確かにダイイング・メッセージというのはああいう働きをすることが一番合理的だと思う。

それにしてもこのシリーズはどこを読んでも「鬼」と「鉄」と「怨霊」ばっかりしか出てこない…もういい加減読むの止めてもいいかしら?^^;

|

« 「アクセラレータ」って何なのよ? | トップページ | 北森鴻/親不孝通りディテクティブ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

読了本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29699/11590634

この記事へのトラックバック一覧です: 高田崇史/QED 鬼の城伝説:

« 「アクセラレータ」って何なのよ? | トップページ | 北森鴻/親不孝通りディテクティブ »