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2006/11/26

田中啓文/ハナシにならん!笑酔亭梅寿謎解噺2

ハナシにならん!―笑酔亭梅寿謎解噺〈2〉
田中 啓文
4087748235

出版社/著者からの内容紹介
上方落語をなめたらあかん! 舌好調第2弾!!
落語家笑酔亭梅寿に弟子入りした金髪トサカ頭の不良少年竜二。どつかれ、けなされ、江戸落語や漫才にこけにされ、時には事件に巻き込まれながら、成長していく。青春落語ミステリ、待望の第2弾。

前作『ハナシがちがう!』がけっこう面白かったのでシリーズ2作目も読んでみたけど、こっちは残念ながらあんまり好きじゃなかった。

前作より今回の方が主役の竜二の活躍が際だっているんだけど、その分彼の行動や考え方の心許なさが全面に出てきてしまった感じ。
高校中退して梅寿師匠に弟子入りした(させられた)まだ未成年って設定を考えると自分の中に「核」がないのも仕方ないのかも知れない。
でも読んでる方としては主人公に定見がないのってちょっと疲れる…というのが正直なところ。
(その分、師匠の梅寿が上手いとこフォローしてくれる、というなら話は別だけど、それも期待は出来ないみたいだし(笑))
自分に降りかかってくる様々な状況の中で迷ったり、立ち止まったりするのは話の展開として有効だと思う。
ただそれを何とか解決した結果竜二が気付く「回答」が、彼の次の成長に殆ど役立っているようには見えないというのが気になるんだよね。
次の回ではまた同じようなところで堂々巡りをしていて…じゃあ、前の物語は一体何だったんだ、と。

一番気になったのは、「落語」と「漫才(に代表される落語以外のお笑い)」を比較して、その度に竜二が「落語は漫才には勝てない」と思う場面が何度も出てくるところ。
何でその2つを勝ち負けで考えるのかが全く判らないんですけど。
で、もっとビックリしたのは『猿後家』という話で、竜二と若手で売り出し中の漫才コンビが一悶着あってその後ある事件をきっかけに仲良くなるんだけど、その時点で竜二の抱く感想が「今だったら落語が漫才に勝てるかも…」だったこと。
やっぱり結局勝ち負けなの?
あの流れだったら「勝ち負けじゃない何か」に辿り着きそうなものだけど…。
これを勝ち負けで考えているうちは竜二はその先へ行けそうにはないと思うけどな。

それにしてもハードカバーの表紙の竜二、怖すぎ^^;
こんな強面の兄ちゃんだったら、あんなに(作品中みたいに)ボコボコにされることもなさそうな気がするぞ。
文庫版の表紙の竜二の方が作品のキャラには合っていると思う。

サブタイトルに「謎解噺」と入っているせいか、全ての話がちょっとしたミステリー仕立てになっている。
前作はその謎もけっこう凝った内容で面白かったけど、今回はどちらかというと人情物の要素が強くて最後に謎解きが出てくると却って違和感があった。
この程度の謎を入れるなら今後は無理してミステリーにしないほうがいいんじゃないのかなあ…。

「蛇含草」「天神山」「ちりとてちん」「道具屋」「猿後家」「抜け雀」「親子茶屋」の7編を収録。

ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺
田中 啓文
4087460746前作の感想文はこちら↓
田中啓文/ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺



<著者関連サイト>
田中啓文のふえたこワールド

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