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2007/02/07

大崎梢/配達あかずきん 成風堂書店事件メモ

配達あかずきん
大崎 梢
4488017266

内容(「BOOK」データベースより)
「いいよんさんわん」―近所に住む老人に頼まれたという謎の探求書リスト。コミック『あさきゆめみし』を購入後、失踪した母の行方を探しに来た女性。配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真…。駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の良いアルバイト店員・多絵のコンビが、さまざまな謎に取り組んでいく。初の本格書店ミステリ、第一弾。

「成風堂書店事件メモ」シリーズの1作目。
先日読んだ長編『晩夏に捧ぐ』の前に来る作品。
駅ビルの6階にある書店・成風堂の正社員・杏子とアルバイト店員・多絵がお店のお客や関係者によってもたらされる、本にまつわるちょっとした事件を解決する連作ミステリー。
「パンダは囁く」「標野にて 君が袖振る」「配達あかずきん」「六冊目のメッセージ」「ディスプレイ・リプレイ」の5編を収録した短篇集。

『晩夏に捧ぐ』は残念ながら(私的には)イマイチだったので、こちらに期待していたんだけど…(またしても^^;)う~ん…。

昨日図書館で借りて今日には一気に読み終わってしまったくらいだから、別に「つまらない」「読みにくい」ってわけじゃないけど、読んだ後に「あ~、面白かった♪」って感じにはなれなかった。

どの作品も導入部とか、解き明かされた謎自体は面白いな、と思えるもの多かった…うん、物語の「発想」とか「着眼点」はいい、というか好き。
でも、その始まりと終わりの間を繋ぐ設定、話の流れなどが、ちょっと腑に落ちないというか、不自然というか、けっこう強引というか…そんな部分があちこちにポロポロ見受けられて、それがどうしても気になってしまい物語自体に気持ちが入っていかなかった、という感じだった。

例えば一番気になったのは「六冊目のメッセージ」。
これはある女性が自分が入院中に母親が買ってきた本を選んでくれた書店員を捜しに成風堂に来る、でもそれは実は書店員ではなかった、じゃあ誰だったの?というお話。
設定もいいし、最後もすご~くいい雰囲気で終わるきれいなお話。
私も物語自体はすごく好き。
でもね、一つどうしても納得できない点が。
普通、誰かが人を捜しに来て、それが誰だか見当がつかなかったら(でも、そこに何らかの形でいたのが確実な人だったとしたら)「どんな人でしたか?」ってその対象となる人の外見的特徴を絶対訊くよね?
それが一番手っ取り早いでしょ?
なのに、この作品ではその質問が一回も出ないってところがすごく不自然で、それがどうにも気になって仕方なかったのだ。
もちろん、それを訊いてしまったら「あ、それだったら」ってことになって、謎解きは不要になっちゃうからミステリーとして成立しない、って事情があるのは判る。
でも、判っているからこそ、そこをどうにかして欲しかった!と望む私は我が儘でしょうか?
その質問が無意味になる何らかの理由こそが、私がこの物語(ひいてはこの作家さん)に求めるものだな。
それがプラスされれば、きっとすごく好きになると思う。

そういう観点からいうと「配達あかずきん」と「ディスプレイ・リプレイ」の2作品のほうがミステリーとしては上手くまとまっていたと思う。
(ただ「配達あかずきん」で出てきた「配達に行くときは財布も携帯も(私物はいっさい)持たない」って設定はどうなのよ、と思った。まさに物語の中でヒロちゃんが転んで怪我しちゃうように、実際に途中で何があるか判らないわけでしょう?なのに何にも持たずに外出るのってかなり危険だと思うんだけど。携帯と小銭くらい持たせてあげてください)

最初の2作品は作品の雰囲気自体があまり好きじゃなかった。
これは単純に好みの問題だけど。

巻末に「おまけ」として女性書店員さん4名による座談会が掲載されているんだけど、これがかなり面白かった(笑)
(作品の中でも杏子が書店のルーティンワークについて解説している部分が面白かった。知らない職場の裏話はどんな分野でも興味深い)
これを読んで「(お客さんって)みんなろくに本のタイトルも判らないまま店員さんに訊いちゃうんだ~」って何だか変な感心の仕方をしてしまった^^;
私は作家も書名も出版社もISBNも全部調べて行くのに見つからなくてもなかなか店員さんには訊けないんだよねえ…。
なんか、本屋の店員さんっていっつも忙しそうで、どのタイミングで声かけたらいいのか判らないんだもん^^;
でもこれを読んでちょっと安心したので、これからはもうちょっと気軽に探すのを手伝ってもらおう。


晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編>
大崎 梢
4488017304

もしよろしければこちらの感想文もどうぞ。
晩夏に捧ぐ


〈関連サイト〉
Ringo page 大崎 梢web site
ご本人によるサイトです。

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