舞城王太郎/SPEEDBOY!
SPEEDBOY!
舞城 王太郎
内容(「BOOK」データベースより)
友人、家族、世界、愛―すべてを置き去りにして、鬣の生えた少年スプリンター・成雄は、速さの果てを追う!!そこに何があった?何が見えた??―誰がいた。
背中に鬣(たてがみ)があって走るのが速い成雄くんの話だというので、この間読んだ『山ん中の獅見朋成雄』の続編なのかな?と思っていたら、そうじゃなかった。
基本的なキャラクター設定だけがそのまま引き継がれているけど、少なくとも物語としては全く別物。
今回の成雄くんは家族がいなくて名字がなくて、マッハのスピードで走ってます(笑)
私はけっこう好きだな。この話。
といっても例によって例の如く、私ごときが理解出来るように書かれている作品ではないので全体的には相変わらずわけが判らないまま、ただそのスピード感に飲み込まれて読み終わってしまったって感じ。
ただ、変に「理解しよう」という意識を捨ててしまったところで感じられる(体感できる)面白さがあった(ような気がする)。
物語の中に繰り返し出てきた『「限界がある」と考えること』が限界を作り出している、という説には同意出来る。
だからといってそんなに簡単に「限界がある」という意識を取り払うことが出来るとは思えないし、もし出来たとしてもだから限界を超えられるかどうかは別問題だろうけどね。
(いくら「限界がない」と信じたとしても、実際問題「ヒトの肉体がマッハの速度で走ること」は不可能だと思う^^;)
あと、「3 御蔵島」の章で成雄とハッケンが交わした会話(イルカのところ)がすごく印象的だった。
2人とも同じようなことを言ってるのに噛み合わないもどかしさがリアルに伝わってきてすごくよかった。
なんかどっちの気持ちも(上手く言葉には出来ないけど)「判る」気がした。
ちっちゃくて薄い(199ページ)けど箱入り。
箱のイラスト、及び本に綴じ込まれたポスターのイラストは舞城氏本人が描いたらしい。
舞城 王太郎

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