井沢元彦/GEN 『源氏物語』秘録
GEN―『源氏物語』秘録
井沢 元彦
内容(「BOOK」データベースより)
国文学者・折口信夫のもとに、一通の手紙が届いた。差出人の貴宮多鶴子によると、貴宮家に代々伝わる『源氏物語』は、従来の五十四帖のものと異なり、十七帖しかないという。これは『源氏物語』の原型といわれる『原・源氏物語』なのか?折口の指示により貴宮家に出向いた若き国文学徒・角川源義は、源氏千年の歴史に、日本国家を揺るがす驚愕の事実が隠されていることを知る!―『源氏物語』多作者説を裏付ける『原・源氏物語』の存在を巡り交錯する謎を、独自の視点と卓越した想像力で解明した、長編歴史ミステリー。
源氏物語多作者論から始まって、吉野の山奥の村に隠れ棲む南朝の末裔の家族と彼らを守る一族たち、その村から唯一の後継者の娘を連れだした友人は心中を装って殺害され、彼らが持ち出した秘宝は敵国アメリカの手に落ちる…。
その中で主人公・源義によって「原・源氏物語」の真の姿が解き明かされていく…といった感じで、盛りだくさんな内容の歴史ミステリー。
タイトルから想像していたほど「源氏物語」自体にスポットが当たった内容ではなかったけどそれ以外の部分は読み応えがあったし、内容が濃くて関係が複雑なわりに文章が読みやすくて面白かった。
特に「源氏物語多作者説」どころか源氏物語の作者は紫式部ではなかったのでは?とか、後小松川天皇と足利義満の関係とその発想の元となったのが原・源氏物語であったとの推論は興味深かった。
でもやっぱり一番ビックリしたのはラストだなあ。
一瞬、その直前までの展開とのギャップが埋まらなくて頭が空白になって、その後思わず笑ってしまった(笑)
あそこまで話を広げておいて、最後に着地する場所があそこだとは!
全く予測もつかないエンディングが非常に印象的な作品だった。
<作家の公式サイト>
■井沢元彦の書斎
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