三浦しをん/まほろ駅前多田便利軒
まほろ駅前多田便利軒
三浦 しをん
内容(「BOOK」データベースより)
東京のはずれに位置する“まほろ市”。この街の駅前でひっそり営まれる便利屋稼業。今日の依頼人は何をもちこんでくるのか。痛快無比。開巷有益。やがて切ない便利屋物語。
面白かったし、読みやすかった。
キャラクターも魅力的だった…でも、どうもこう「しっくりこない」読後感が残った。
私の個人的な好みで行けば、この主役2人に重いバックグラウンドはいらなかった。
お人好しでお節介やきな便利屋が、変人で有名だった高校の同級生と偶然再会。
今も変人を続けている彼に困惑しながらもなりゆきで一緒に仕事を始める…ってな感じで充分だったのでは?
この作品自体、基本的な部分はこんな雰囲気で進んでいるのに時々挿入される2人のトラウマとか過去の記憶がちょっと唐突でうまく両者が溶け合ってないように思えた。
と同時に「痛みを分け合わないと本当に解り合ったことにはならない」みたいな雰囲気がちょっとイヤ。
あと、最初のほうでやたらに「まほろ市」について詳細な情報を書いていたけど、その情報が物語の成立に影響を与えているとも思えなかった。
しかもあれだけ詳細な情報が書いてあるのに、「まほろ市」というのは都会なんだか、田舎なんだか、寂れているのか、賑わっているのか、結局印象が判然としなかったし。
(私の読解力の問題か?^^;)
主役2人をはじめとして登場人物が魅力的なこと、前の章で出てきた人物や人間関係がきちんと後の展開にも活かされているのは好感が持てた。
また主人公の職業に「便利屋」を選んだのも物語に広がりを与えるいい選択だったと思う。
映像化しやすそうな物語なので多田や行天のキャラに合う役者がいれば、ドラマ(または映画)化される日も遠くないかも。
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