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2007/04/01

斎藤美奈子/誤読日記

誤読日記
斎藤 美奈子
4022500328

内容(「MARC」データベースより)
175冊のベストセラー・話題の書を、「誤読術」で読みといたミーハー書評決定版。タレント本や実用書も取り上げた「書評欄の裏番組」的コラム、00年~04年『週刊朝日』『アエラ』連載を単行本化。

「『誤読術』で読み解く」とはいっても決していい加減なことが書いてあるわけではなく、それぞれの作品について相変わらず切れ味鋭い批評が並んでいて非常に面白かった。
珍しく(笑)私の知っている本もたくさんあったし。

思うに、著者以外にその本を「正しく」理解して読める人って存在するんだろうか?
本(だけに限らずあらゆる表現・作品)は、全て何らかの意味で「誤読(誤認)」されているものなんじゃないのかな。
感想、批評、批判、共感、反感、同意、感動…など全ては(意図的なものもあるだろうけど)その読者の視点やバックグラウンド、思想、思考、嗜好などのフィルターを通して出てきたものであって、純粋にその作品が持っているものではない。

でも、だからこそ全ての表現物はそこにある価値がある、という側面もあると思う。
受け取る側の誤読や誤認をどのくらい許容できるか(どのくらい多角的に読みとくことが出来るか)、というのもまた優れた作品であるかどうかの基準なのかも?なんてことを考えてしまったり。

またそれが「誤読」だとしても自分の作品に真摯に対峙してくれた結果ならば、作者としても本望なのでは。

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