結城光流/篁破幻草子 あだし野に眠るもの
篁破幻草子 あだし野に眠るもの
結城 光流
内容(「BOOK」データベースより)
ときは、平安のはじめ。たぐいまれなる美貌とやわらかな物腰とで、宮廷貴族たちのアイドルとなっている十七歳の小野篁には、誰にも知られていない裏の顔があった…。墨染の衣に身をつつみ、宝刀「狭霧丸」と魔弓「破軍」をたずさえて、小野篁が京の闇を斬る!華麗なる歴史伝奇絵巻、ついに開幕。
「破軍星の下生」、そして「冥府判官」である(という伝説がある)小野篁(おののたかむら)を主人公にした小説だというので図書館で借りて読んでみたんだけど…残念ながら今ひとつ。
多分、これは私が普段この手の小説(ライトノベルでいいのかな?)を読み付けないせいだと思う。
この物語の篁は17歳の美少年、という設定。
いや、いいんですよ、美少年であること自体は。
「何の特徴もないフツーの人」よりは、「17歳の美少年」が主役のほうが話が華やぐってもんです。
ただね、だからといって何かというと「すごいくらいの」とか「天女のような」とか「見とれるほどの」とかって恐ろしく大げさな形容詞でもって篁の美しさを表現する必要はないんじゃないかと思うんだけど^^;
それに篁はちょっと頑な過ぎる気がするんだなあ。
すんごい偉そうで「みんなお見通し」みたいな感じでいるくせに、(ちょっと天然ボケ入ってる感じの(笑))お隣の融くんよりも実は子供なんじゃ?って感じがするな。(そこがいいのか?)
(私は融のが好き~♪)
話自体はけっこう面白かった。
夜な夜な都に現れて高貴な若者たちを襲う美貌の怨霊や、彼女を操る美しき鬼(登場人物は鬼さえも美形なのだ)との闘いはかなりハードな描写で迫力があって読み応えがあった。
それから、陸奥の山奥から都に戻ってきて「ヒマだったので」百鬼夜行と遊んで(いたぶって?)いるところを、閻羅王の息子にスカウトされて冥府の判官になった、という設定なんかすごく好きだわ(笑)
でも全体的にちょっと装飾過多なので、もう少しあっさり目に書かれていた方が(少なくとも私には)読みやすかったな。
あと(申し訳ないけど)イラストもないほうがよかった…です。
<作家の公式サイト>
■狭霧殿
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