河治和香/国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ
出版社/著者からの内容紹介
浮世絵師歌川国芳と娘登鯉をめぐる人間模様
前作『笹色の紅』で評論家の絶賛を浴びた新鋭作家の、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第1作。 天保の改革で、贅沢なものが次々と禁止になるさなか、見事な戯画で大人気を博した歌川国芳。ついには国芳も奉行所に呼び出され、顔見知りらしかった遠山の金さんと全面対決へ。さて、その顛末はいかなることに!? 国芳と妙ちきりんな弟子たちとが織りなす浮世模様を、国芳の娘の絵師・登鯉の目から格調高く描く。
無頼でひねくれ者だけど面倒見がいい歌川国芳と彼を慕う個性溢れる弟子たちの巻き起こす騒動、美人で勝ち気で絵が上手い登鯉の不器用な恋模様など国芳一門のエピソードを始め、天保の改革で次々と出される禁止の触れの隙間を縫ってささやかな楽しみを見つけていく庶民の姿が生き生きと描かれていて楽しく読めた。
(特に『格調高く描』いてある、とは思わなかったけど(笑))
ただ、最初に男の生首の傍で死んでいた全裸の女の死体の話から始まるのでてっきりこの事件の謎解きものかと思いながら読んでいたのに最後まで謎解きされることなく終わってしまったのでちょっとビックリ。
あれは第一話のエピソードだったのね^^;
あと、一つ一つのエピソードは面白かったけど、それぞれの繋ぎ方が甘くてそれぞれ別の物語に見えてしまったのが残念。
もうちょっと全体的なまとまりがあるともっとよかったな。
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