中村彰彦/知恵伊豆に聞け
内容(「MARC」データベースより)
三代将軍・徳川家光の懐刀として、老中に昇りつめた松平伊豆守信綱の生涯を、その「知恵伊豆」ぶりとともに描いた長編時代小説。『週刊小説』『月刊ジェイ・ノベル』連載をまとめる。
その博識、見識の高さから「知恵伊豆」と呼ばれた松平伊豆守信綱がいかにして「知恵伊豆」となったのかが"これでもか~!"といった量のエピソードでもって綴られている。
それこそ4歳のときに卵泥棒を捕まえた話から、67歳で亡くなる直前に将軍・家光から賜った書状を全て焼却するように遺言した話まで盛りだくさん。
読みにくい文章ではないし、エピソードもけっこう面白いんだけど…とにかくエピソードの数が多すぎる。
しかも、そのエピソードは「ただそこにあるだけ」なのが不満。
「こんなことがありました」だけで、すぐに次の話に行ってしまうので読んでると「だから何なんだ」って気持ちになることがよくあった。
そのエピソードがその後の展開にどう活かされたのかがよく判らないんだよね。
「歴史小説」というよりも「とんち話集」といった感じ。
それならそれでもいいんだけど、この作品はその恐ろしい量のエピソードに加えて歴史的事実もかなり細かく書いてあるので、なかなか読み終わらなくて途中でちょっと飽きた^^;
「知恵伊豆」と呼ばれながらその功績が一般には殆ど知られていない信綱の生涯を余すことなく伝えたいという気持ちも判るけど、書くことと書かずに済ませることは分けたほうがよかったんじゃないのかなあ。
この作品は歴史小説よりも「このトラブルをどう乗り切るか!」って感じのビジネス書にするとオジさん受けしてよかったんじゃないかな。
エピソード厳選して、ページ数少な目、でも紙質はいいの使ってね。
タイトルだけはそのまま「知恵伊豆に聞け」。
このほうが売れそうじゃない?(笑)
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