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2007/06/10

宇江佐真理/桜花(さくら)を見た

桜花を見た
桜花を見た

内容(「BOOK」データベースより)
日本橋「いせ辰」の手代、英助には誰にも言えない秘密がある。それは北町奉行、遠山左衛門尉景元の落し胤ということ…。表題作ほか、葛飾北斎の娘応為、蛎崎波響に材をとった「酔いもせず」「夷酋列像」など、充実の傑作中篇集。

実在の人物をモデルにした中編集。
表題作の他「別れ雲」「酔いもせず」「夷酋列像」「シクシピリカ」の5編を収録。

どの作品も実在の人物がモデルとして出てくるけど、表題作と「別れ雲」の2編とその他の3編は少し趣が違う。

市井の名もない人々を主役に据えて、実在の人物(「桜花を見た」の遠山左衛門尉景元、「別れ雲」の歌川国直)との束の間の、でも彼らの人生にとっては重要な転機となった出会いと別れを綴った2編に対し、あとの3編は実在の人物(葛飾北斎の娘・応為、蝦夷松前藩の重臣でもあった画家・蠣崎波響、蝦夷地の探検に生涯を捧げた最上徳内)を主役に彼らの生涯が長いスパンで描かれている。

どちらも誠実な文章で丁寧に描かれているんだけど、私の好みからすると人生のある一場面を切り取った最初の2編の作品のほうが人物に感情移入し易くて好きだった。
あとの3編は描かれている期間が長い分、視点が遠いしエピソードも多彩すぎて却ってその人物の人となりが曖昧になってしまった部分があるように思う。

ただ、同じ土地(蝦夷)の同じ時期を別の視点(松前藩重臣と幕府官僚)から描いた「夷酋列像」と「シクシピリカ」は、今まで意識したことがなかった土地の情報がたくさん入っていて、そういう意味で非常に興味深かった。

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コメント

久しぶりにお邪魔しました。
なんとか無事(?)に暮らしています。はは。

で、ボーっと読んでなかった記事を追っかけてたら
ちょうど昨日読んだばかりの本が出てたので。
私はこっちの図書館で借りたんですが。

日付をみたらなんと約2週間も前。
えらい遅くてすみません。

宇江佐さんの本は好きです。
髪結い伊三次シリーズをはじめとして、結構読んでます。
たこさんも書かれてるけれど、派手さはないかもしれないけれど
誠実な文章ですよね。
私、最初の「桜花を見た」を読んで、泣いちゃいました。
なんかじわ~んと来ました。
栄助の日常や人となりが丁寧に書き込まれてるから
実の父親との対面の時の心情や結婚のお祝いの後日談が
ものすごくはっきりくっきりと確かな輪郭をもってせまってきて
読んでる人を感動させるんだろうなぁ~、って思います。

手元に「あやめ横丁の人々」があるから
今から読むのが楽しみです。

投稿: shirokko | 2007/06/22 22:25

■shirokkoさん
こんにちは。返信がとてつもなく遅くなって本当にごめんなさい(T_T)

ご自宅に帰っていらっしゃるようですが、お身体の具合はいかがですか?
そのまま安定してくれればいいですね。

私の方は事務所の引っ越しまであと1週間となり、荷物の整理やらいろんな手配やらで時間を取られる中、そんなときに限ってあれもこれも納期が迫っていてやってもやっても終わらない、って感じです(T_T)
まあでも状況はみんな同じなので「やるしかないか」って感じですね(笑)

幸い体調は悪くないし(先日謎の発熱で一日寝込みましたが^^;)、本も読めているので感想だけは週末にまとめて…という感じ。
来週末の連休つぶして引っ越し、その後も配置換えや何だかんだで今月いっぱいはバタバタしそうなので、しばらくは週末だけのブログ更新になりそうです。

今週は「チーム・バチスタの栄光」を読みました。
期待に違わず面白かったです(^^)

※何だかコメントへの返信じゃなくて近況報告になってしまいました。ゴメンナサイ^^;

投稿: tako | 2007/07/06 22:42

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