野火迅/使ってみたい武士の日本語
内容紹介
つい百五十年前まで日本を覆っていた「武士の世」で話されていた、味わい深い言葉の数々。
声に出して使ってみれば、日本語本来の豊かさ・面白さが身にしみる。
卒爾ながら(突然のことで失礼ですが)、それは重畳(大変けっこうなことだ)、異なことをいう(また妙なことを)、これはしたり(これは驚きだ)、念には及ばない(確認するまでもない)……。
会話で・メールで・手紙文で、ひとことうまく使ってみたい「極上の日本語」を紹介する。
時代小説や歴史小説を読むのはけっこう好きなので、90%くらいは知ってる言葉だったかな。
「知ってる」といっても意味を言葉で説明しようとすると難しい。
でも、ニュアンスはほぼ理解できているという感じ。
だって、いくら今は使わないといっても同じ日本語なんだからね。
その言葉だけ言われたらちょっと困るけど、文章の中で出てくるのなら前後の流れを考慮すれば大体のことは判るんじゃないかと思う。
確かにこういう言葉って味わいや含みがあって深いなあと思うけど、だからといってそれを『会話で・メールで・手紙文で、ひとことうまく』使うというのはどうなのよ、と。
例えばいきなり会社で上司に「大儀である」とか言われたら、「ケンカ売ってます?」と思ってしまいそう(笑)
それに自分は知ってるけど相手が知らない(かもしれない)言葉を使うことはあまり親切じゃないと思うし、逆にお互いに判っていればいいかというとそれもちょっとね。
例えば「率爾ながら拙者このたび転勤することになり申した」「これはしたり」なんて会話をしてたらかなりアブナイ人になってしまうでしょう?(笑)
つまり、どこで誰に対して使えばいいか判断がすごく難しい言葉だよね。
(今の時代の言葉じゃないんだから当然といえば当然)
なので、現代の一般ピープルとしては知識としてこういう言葉があって、こういう意味だったんだよって知っていればいいんじゃないのかなと思うけど。
でも、読む方はそれでいいけど、その作品の状況とか関係とかにあった言葉を探して正しく使わなければならない作家というのは大変な仕事なんだなあ、ということを改めて感じた。
これからはもうちょっと文章を味わって読んでみよう!
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コメント
率爾ながら、某も昨日、この本を図書館で借りてきたばかりでござる。何かヘン(^^;)。
こういう台詞をさりげなく小説に取り入れている作家って、やっぱりプロですね。何となくニュアンスはわかっていても、改めて説明を読むと納得できて面白いです。
遅ればせながら……今年もひらによろしくお願い申し上げます。
投稿: Tompei | 2008/01/10 07:38
■Tompeiさん
こんにちは[♪]
>この本を図書館で借りてきたばかり
それは重畳。(使い方、ちょっと違うかな?^^;)
いろんな言葉が載っていて面白かったのですが、使い方や意味だけでなく語源ももうちょっと書いてあったらもっとよかったかな、と思いました。
(語源好きなのです(笑))
こちらこそ今年も宜しくお願いいたします。
今年こそはどこかのオフに紛れ込みたいと思っているので、その節はよしなに(笑)
投稿: tako | 2008/01/10 21:51